【神饌の種類】
次に神饌の種類についてです。
1米、2酒、3餅、4魚、5鶏卵、6海菜、7野菜、8果物、9菓子、10塩、11水となります。
数字が若いものほど、上位の神饌となります。
1の米は白米をそのままお供えします。
洗米をお供えする習慣もありますが神社ではそのままでお供えします。
3の餅はお正月にお供えする様な重ね餅が一般的ですが、家庭での日常の神饌では小餅や大福餅などに置き換えて皿に盛ってお供えする事も良いでしょう。
4魚は、鯛(たい)や鰤(ぶり)鮭(さけ)などが一般的ですが、祖霊様にはお好みであったお魚をお供えする事も良いでしょう。魚は尾頭付きが基本です。
☆魚の尾と頭について
魚の尾と頭の位置は、正中(真ん中)または向かって左に供する場合は頭を右とし、向かって右に供える場合は頭を左にします。
なお、海の魚ではお腹を神座に向け、鯉(こい)や鮎(あゆ)など川魚など淡水魚はお腹を手前(参列者の側)に向ける作法があります。
6海菜とは昆布、わかめ、ヒジキ、寒天などがそれにあたりますが、広義には乾物と解して鰹節、スルメ、煮干しなどをお供えする事も良いでしょう。
7の野菜は季節の野菜で彩りを考えて用意されるとよいでしょう。
ただしネギやニラの様に匂いのする野菜は一般に遠慮します。
【神饌の順位と品目の目途】
次にお供え物を祭壇に供える時の位置についてです。
御神前には位置の上位下位の区別があります。
御神座(神棚では神札の納められた宮形)の正中(真ん中)を最上位、次に向かって右、その次を向かって左とします。
この位置の上位下位の区別を表に示すと、
という配置になります。次に少し具体的な例をお話しします。
冒頭の神饌の順位を参考にしながらご覧ください。
ア) 日常の供物の場合
常日頃の基本的な供物である1米、10塩、11水に当てはめると、真ん中に1米、その右に10塩、米の左に11水をお供えする事になります。
これを三方(さんぼう:供物を載せる台)かお盆一台に供えると、
二列にしてお供えすると、
イ) 少し品数を増やした場合
1米、2酒、4魚、7野菜、8果物、9菓子、10塩、11水の8品を
5台の三方(さんぼう:供物を載せる台)かお盆で供えると
同じ品数を3台と3台の奇数台の2列にして供えると
《注記》図の中で2酒 2酒の表記は、お神酒徳利(とっくり)が一対(二本で一組)
であるからです。
【その他の供物について】
よくあるご質問の中に、「生のお米をお供えしているのでご飯はお供えしなくても良いですか。」があります。
分院では毎朝平瓦(ひらか:供物用の平たい皿)にご飯を盛りお茶を添えて御神前と祖霊社にお供えしています。ご家庭においてもなさってみてはいかがでしょうか。
拝礼をおえて湯気がおさまれば、神様やご先祖様がお召し上がりになったものとしてお下げして、家族の食事に加えていただくと良いでしょう。
ご先祖様へのお供えの場合、今までお話ししてきたようなお供えのほか、祖霊様が生前お好みだったお品をお供えするのも良いでしょう。
神道を古く「惟神(かむながら:神の御心のままに)の道」と云います。
「神様、ご先祖様が其処におられるが如くに」真心こめてお仕えする事が「神恩感謝」「祖霊冥福」の祈りの実践につながる事と存じます。