こんにちわ。
今日は私が3ヶ月前からチャレンジしている
「麻布マルチ」についての経過と検証を
「綿花栽培」と合わせてお伝えします。
最近は家庭菜園でも使われるようになっている
「黒ビニールマルチ」
画像はアマゾンにあったものの一例。
色は白、銀、透明などの種類があります。
効果は・・・
1
地温が上がるため気温が上がっていなくても栽培が可能
育成も早く収量も多い
2
保湿力が極めて高い
3
集光性が高い
4
暴草抑制効果が高い
5
豪雨による土・肥料の流出を抑える
6
泥はねによる野菜への悪影響を抑える
これらがおおよそが効果です。
その反面問題もあります。
1
微生物による分解がなされないため土にはならない
2
使用は簡易だが処分にはお金がかかる
3
処分にお金がかかるため不法投棄されるケースが相次ぐ
4
「産業廃棄物」として農協などで収集されているものの、
どのような最終処分方法となっているのかが不明
5
ビニールマルチが撤去されずに耕作放棄され、
ボロボロになって土に混ざり環境汚染となっているケースがある
6
耕作放棄地を借りた後で土地の中からマルチが大量に発見され
借主の手に負えなくなるケースがある
7
生分解性マルチも開発されているが極めて高価なため普及していない
8
栽培期間が長いと、収穫を迎える前に生分解性マルチはボロボロになってしまう
9
自然界には存在しないビニールの被覆が景観を極めて損なう
10
夏には地温が上がりすぎ、内部が70度以上になって野菜の根を傷めてしまう
などなど・・・。
それでも収穫量に大きな影響があるため
広く使われているビニールマルチ。
特に威力を発揮しているのは
「暴草抑制効果」です。
小さな菜園や、貸し農園を始めた人も
「ビニールマルチは好きじゃないけど
草取りが間に合わないから仕方なく使ってる」
・・・というケースもあるようです。
特に小規模自家菜園の場合、
大型収量確保や、
収穫物の見た目の良さを揃える必要はなく
栽培スピードを急ぐ必要はないので
「とにかく草を抑えることができればいい」
というニーズがあると思います。
そこで、大地を害さず、
見た目もナチュラルな天然繊維で
暴草抑制効果のある素材はないかと思案し、
テストしてみました。
テストしたのは麻布で
「根巻き麻布」という
木の根を掘り上げた時に巻いておく用途の素材です。
幅80センチ長さ20メートルで
2480円でした。
画像は楽天にあったものでイメージですが
見た目は同じです。
安くもありませんが、繰り返し使うことができ
最終的には大地に還るので処分費用もかかりません。
*
畑の土の下準備ですが、
ここは私の草畑ではなく、
友人が耕作放棄地を借りた場所です。
すでに耕運され、草の根が掘り出された状態。
私は畝を立て、
土の上に付近から刈り取ってきた野草を分厚く乗せました。
その後、麻布を広げ、金属の杭で留めました。
全体はこんな感じです。
発酵させたいので水を撒き
土が落ち着くまで1ヶ月ほど待ちました。
そして、ここに植えのは
「綿花」でした。
暑い地域で栽培される綿花は
高原栽培など全く向いていません。
が、綿花に興味があったのであえてチャレンジ。
自宅で育苗した苗を植えつけますが、
その前に麻布マルチに切り込みを入れます。
穴を広げ、
二人がかりで
慎重に苗を植えつけました。
丁寧にお水をあげて・・・。
成長後、風の被害に合わないよう、
支柱をあらかじめ立てました。
布は20メートルあったため、
2つ折りにして2枚重ねの状態で使いましたが、
来季も場所を移して使う可能性があります。
で、重ねてある布の穴がずれないよう
タコ糸で留めておきました。
苗は移植のダメージでうなだれていますが。
このように端もざっくりと留めました。
裁縫の得意な友人に
周囲をぐるりと縫っていただきました。
針は毛糸用の極太針です。
これが水晶の月:6月のことでした。
その後、長雨に突入。
植え付け後1・5ヶ月の間、ほぼ毎日が降雨。
気温も20度以下でした。
冷涼な気候が苦手な綿花は成長せず、
どうにか生き延びるだけにとどまり、
長雨が終わった後、
ようやく本葉が出て来ました。
草は麻布の周囲にはありますが、
この程度で抑えられています。
これなら手で摘めばすぐ取れます。
周囲の草の状態はこの通り。
通路はざっくりと手刈りしました。
もし畝に麻布マルチがなかったら
苗は生き延びるのが困難だったと思います。
長雨が明けてからは日照り続き。
それでも綿花は暑さと渇きには強いので
水遣りなしでも成長して行きました。
苗の足元から草が生えていますが
手でつまんで取ればコントロール可能な程度。
週1回ケアしていました。
そして、月の月の初め(8月の終わり)
ようやく花芽がつきました!!
さらに・・・
月の月:9月の初めに
とうとうお花が!!
なんて美しくて可憐なお花でしょう!
感激です。
だたし、綿になるまで開花後2ヶ月かかります。
霜が降る前に綿ができるのか?
危うい状態ですが・・・。
ともかく麻布マルチは暴草を抑え、
生育のままならない苗を守ってくれました。
ちなみに、
この麻布ゾーンの一部は
布を2枚重ねにせず、
1枚のみにした部分があります。
麻布2枚と1枚では草の状態に差がありましたので
それをお伝えして終わりにします。
布2枚重ねの部分では畝は平坦のままでした。
ところが1枚のみのところは
このように盛り上がっています。
内部を覗くと・・・
麻布の中でひしめき合う草たちが!!
押し合いへし合い・・・
ともかく外部には出られず
ほぼ抑え込まれているので
暴草効果は顕著でした。
ただし、
2枚重ねにした方が草の圧力による盛り上がりもなく、
布の劣化も少ないので
来季使いも視野に入れるなら、
最初から重ね使いが理想だと感じます。
なお、このチャレンジを
耕作放棄地を開墾して試す場合は、
麻布を敷く前に、
草の根をあらかじめ掘り出す作業は必要です。
敷き草ができれば理想です。
そして布の端は
きちんと金属の杭で留めてください。
留めないと草の圧力を抑えられませんから。
***
以上が麻布マルチテストと、
高原での綿花栽培チャレンジ報告でした。
最終的にどうなるのかは
追ってお伝えしようと思います。
この夏、初めての畑体験をし
草の猛勢におののいた人もいらっしゃると思います。
自然素材で暴草を抑える、
この方法も視野に入れてみてください。
私としては、
保湿、保温、集光性を高めるため、
麻布マルチを黒く染め、
苗の足元に籾殻くん炭をてんこ盛りにした
栽培も検討しています。
とりあえず、高温多湿を好むインド原産のナスさんには
くん炭マルチをテストしてみました。
このスタイルに麻布マルチを組み合わせたら
生育にどの程度変化があるか見てみたいものです。
それではまた。