こんにちわ〜。
以前、宇宙銀行に関する、
わかりやすくて、超おもしろい
ショートストーリーを書いていますが、
最近
「相手からできるだけ対価をたくさん取る」
・・・という一般的な手法について
疑問に思う方々が増えているようなので
再投稿いたします。
シュールよ〜。
ぜひどうぞ!
・:*+.\(( °ω° ))/.:+
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宇宙銀行物語:
【僕の預金額教えて下さい!】
ある男が銀行の前に立っていた。
銀行の名は「宇宙銀行」
*****
噴水のある1階を通り抜け、
アンティーク風の階段を上り2階に着くと、
そこには曲線状のカウンターがあり、
受付けになっていた。
ウタマロが瞑想下で見た内部構造
彼は女子行員に言った。
「すみません。
最近なんだかおかしいんです。
宇宙循環が機能していないみたいで。
自分の預金額知りたいんですけど」
「はい、お調べいたします。
地上でのお名前は、⚪️⚪️様ですね」
テクテクテクテク・・・・・・・
行員は鏡のような画面を見つめた。
どうやらそれがパソコン機能のようだ。
「現在の預金高はゼロでございます」
行員は冷静に言った。
「ええ!!!
だって僕は自分のパッションに従い、
有益な提供して来てますよ!」
「はい。確かにそうですが、
あなたはご自分の提供物の全額を
地上銀行の現金支給ですでにお受け取りになっています」
「どういうことですか?」
「直近での収支詳細では・・・」
行員は鏡を凝視した。
「あなたはご自分のセッションを1回5万円で提供なさいました。
そしてエネルギー量も確かに5万円でした。
ですから±ゼロということになります」
「そうなると・・・どうなるんですか・・・?」
男は恐る恐る聞いた。
「あなたが今まで受けてきた善意のサポート。
例えば友人からのシェア紹介や、
脈絡ない形で想定外の所から来ていた有形無形のものが、
全て地上銀行からの現金支給で
支払い済みということになります」
「ええ?!
今までどおり口コミで広がるんじゃないですか?」
「以前あなたは2万円の価格で提供していました。
その時のエネルギー実質は4万円でした。
ですから現金2万が地上銀行支払い、
残りの2万は宇宙銀行から
必要なタイミングで
必要なものをお届けいたしました」
男は口を開けたまま何も言えなかった。
*
「あと、小さな負債もございます」
「ええ?!嘘でしょ!」
男はおののいた。
「あなたは先日の企画でキャンセルを申し込まれました。
クライアントはお金の都合でキャンセルしたかったのです。
あなたはそれを直感的に気づいていた」
「そうですね、気づきましたがそれが何か?」
「あなたは既に振り込まれている5万円を手放したくなかった。
そのために、
”当日来られなければ遠隔でセッションします。
日時はご都合に合わせますから”
・・・このように返答し、返金しなかった」
「・・・それのどこがまずいんですか?」
彼は少々苛立った。
「あなたが本当にクライアントの立場に立ち、
”今回は特別にキャンセル料なしにしましょう。
いつかまたご縁があった時に申し込んでください”
このようにしていたら、そのクライアントは・・・」
「そのクライアントは・・・?」
「ご自分の友達に
あなたのことを紹介する可能性がありました。
3名です。
つまり、あなたは5万失う代わりに15万得る可能性があった」
「ええ?!」
( ̄□ ̄;)!!
「小さな負債というのは、
相手が望んでいないのに、
自分自身のためにセッションを
無理に進めようとしたエネルギーです。
それは奪うエネルギーにあたり、
逆宇宙循環。つまり負債です」
「・・・・・・・・・」
「真の意味でその企画が相手のためなのか?
それともあなた自身のためなのか?、
宇宙銀行は真実を反映します」
「・・・・・・・・・」
「ちなみに反映は今生の場合も、
未来生の場合もございます。
他にご用件はございますでしょうか?」
行員は冷静に言った。
「い・・・いえ、ありません」
彼はもう何も言えなかった。
***
男は呆然自失のまま銀行を後にした。
衝撃的な、そして紛れもない事実だった・・・。
遠く、流れ星が通って行った。
完
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はじめましての方へ、
泉ウタマロは作家です。
最新作はこちら。
http://www.yukaze-publishing.com/utamaro/yurei.html
それではまた。