治療(標準治療以外の療法も含めて)にも旬があります。
適切なタイミングで施すからこそ治療効果が得られる。旬を逃すと治療そのものができないか、効果が期待できなくなってしまいます。また無理してやらないほうがよかったというケースもあります。治療をするだけではなく、やめておくも含めてタイミングは重要です。
タイミングの判断は簡単ではありませんが、医療者に任せ切りは賢明ではありません。(緊急性は別として) 任せ切りや依存は自分の体をないがしろにしていることになります。一生つき合う自分の体ですから、関心を持ってあげないのは申し訳ない。
ではどうするか?
知識と情報を集める、勉強する、研究する。他者の理論や体験を参考にしながらも自分なりの仮説を立てる。絶対的な正解や何が適切かは事前に確定しませんが(やってみなければわからない)、現時点での方向性を決め進む道を選択することはできます。
直観で決めるという方もいますが、「直観」とは自分の経験知や知識によってもたらされるものです。直観は無からの閃(ひらめ)きではありません。バックボーンが無いところから閃きは生まれません。偉大な発明に至る閃きは研究や学識を積んだからこそのものです。プロ棋士、プロスポーツ選手の一瞬の閃きも膨大なトレーニング量に源があります。これに対し素人の閃きは“まぐれ”です。自分の体に関して素人ではいけません。
一方、「直感」は感覚によって瞬時に判断する場合に使います。こちらの直感に従って治し方を決めますと言う方もいます。私はこの直感が最も働く局面は“命の危機”だと思います。生き物は生存本能としての危機察知能力が低かったら、即座に命を落としてしまいます。「これなんかヤバイ感じがする」「これ以上やったら命が危ない」「この人の言ってることはなんかヘン」は生き延びるためのアラームです。命の問題でなくとも詐欺メールやフェイク情報など日常でもありますよね。
大切な何かを掴むためには目を逸らさず学びましょう。
そして生きることの妨げになる危険には直感も働かせましょう。
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3/12(水)オンライン講座 2025年テーマ『患者目線のがん講座』
第1回「がん情報の見極め方、選び方~溢れるがん情報の整理にお悩みの方へ」では、直観と直感の働きを妨げてしまうバイアス(偏り、先入観、思い込み)についても触れる予定です。

