「がんが治った人の本を読むと、自分を180度変えたから治ったようなことが書いてあって・・・私もそうしないといけないのかと・・・」
オンラインの集まりでコメントされた方がいらっしゃいました。
同席された先輩がん体験者さんから、
「そんなことないよ」と声掛けされていました。
ほんと、その通りです。
以前書いた記事を再掲します。
『無理やりのフルモデルチェンジは必要ない』
悲観的でネガティブなことを考え慎重に石橋を叩きなかなか渡らない。
そんな自覚がある人ががんになって、先達がんサバイバーさんの“心を変える”“生き方を変える”に触れると、「がんを治すには私のこの性格をフルモデルチェンジしなければ!」という思考になっちゃうことがあります。
生きやすい意識や思考習慣にアップデートするのはいいですが、フルモデルチェンジはある意味自分史否定になりかねないので実際は悲しい作業になってしまいます。
性格は養育環境、生活環境に影響を受けますが、その人オリジナルの宿命的な要素もあるはずです。一律で一定の条件下でしか生きられない生物は絶滅しやすいので、多様性は生存戦略になります。だからいろんな人がいなければならない。
今までこの世を生き抜いてきた性格を認めねぎらいつつ、必要な上書きをしていくだけでも十分です。