「絶対、がんを治して元の自分に戻ります!」を力強く口にされるがん患者さんがいらっしゃいます。

己が目指す目標を設定するのはよいし、お気持ちもお察しできます。

しかし、すべてが元には戻らないのです。

年齢を重ねることで。
大きな病や事故をしたことで。
手術で内臓を取ったことで。

以前のようにはいかない。それでも残った力で適応を試みる。

生物は生命力が尽きるまで生きようとする。

ガタがきたらガタがきたなりに、パワーを落とし、スピードを緩め、機能を減らし、いくつかの仕事から撤退し、生き延びようとする。

病といえど生存本能としての自然な変化かもしれません。それを無理に元に戻すのは、不自然で過酷な作業になってしまいます。

生命を全うするため生じた変化であるなら、それを受け入れた上で進化しよう。