自律神経といえば、交感神経(緊張)と副交感神経(弛緩:リラックス)と習いました。

がん患者さんは交感神経優位の人が多いから副交感神経に切り替えてリラックスしましょう、というようなこともよく見聞きします。

比較的新しい理論なのですが、副交感神経には「背側迷走神経集合体」「腹側迷走神経集合体」があり、極端に背側迷走神経集合体に振れると「不動化」が起きるそうです。

不動化とはフリーズ(凍りつき)、虚脱(シャットダウン)と呼ばれるものです。思考停止、目を背けるだけで動けなくなるなどの反応です。

そういえば、乳がんで肝転移を告げられた時、診察室で失神してしまった人がいました。


交感神経が闘争・逃走反応となるのと対照的ですが、いずれも自己防衛(身の安全)反応です。

その交感神経と背側迷走神経集合体のバランスを取るのが腹側迷走神経集合体という説があります。

腹側迷走神経集合体の調整によって安心・安全を感じたり、リラックスできると内分泌系や免疫系によい影響を及ぼすと考えられています。