昨日のブログで、「アイメッセージ」という言葉を出しました。今日はその「アイメッセージ」について、少し説明します。

 

 

不登校ママさんはとても勉強熱心な方が多いので、子どもとの関わりを悩んだり勉強したりする中で、この「アイメッセージ」にたどり着く方は多いと思います。すでにご存知の方も多いでしょうけれど、今日は私の言葉で説明させてください。

 

 

ただ、最初に書いておきますが、アイメッセージで伝えたからと言って、必ず相手の行動が変わるわけではありません。その理由も合わせて説明します。

 

 

 

 アイメッセージとは

 

アイメッセージとは、簡単に言えば、主語を「あなた」ではなく、「わたし」にして伝えるという技法です。例えば、子どもがリビングでテレビを見たり、ゲームをしたりしている。それも、大音量で。あなたとしては、せめて音量を下げて欲しい。特に今日は体調も悪いし、いつもよりイライラする。ここで、

 

 

「もうちょっとテレビの音量を下げてくれない?」というのが、ユーメッセージです。「(あなたが)テレビの音量を下げて」と、相手の行動を変えることを望んでいますからね。さらに、いつも我慢しているイライラが乗ってしまうと、「いつもいつもあなたばっかり好き勝手にして、いい加減にしなさい!!」という、余計な一言までついてしまいがちです。

 

 

それに対して、アイメッセージというのは、「(わたしは)今日は少し体調が悪くて、テレビの音が大きいと余計に頭が痛くなってしまって、困るんだ」と、あくまでも自分の気持ちのフォーカスした伝え方をすることです。

 

 

と、いうことは、多くの心理学やコミュニケーションの本などで登場します。ところが、「言われた通り、アイメッセージで伝えてみたけれど、全然行動を変えてくれない」という方がたくさんいます。

 

 

 

まずここが、アイメッセージの使い方を大きく勘違いしているんです。

 

 

 

 本当のアイメッセージとは?

 

アイメッセージは、ポイントが3つあります。

 

 

  • 事実の描写
  • わたしへの影響
  • わたしの正直な感情

 

 

順番に説明しますね。

 

 

①事実の描写

 

相手の行動などでおきている事実を、簡単に話します。ポイントは、その相手の行動について、非難がましくなく述べることです。この時に、相手を非難する気持ちが入ってしまうと、相手のガードが固くなるので、要注意です。

 

 

 

②わたしへの影響

 

①でおきている事実から、わたしに起きている影響ですね。単に気に入らない、なんて曖昧なものはNGです。ポイントは、「そんなに困っているなら、少し譲歩しようかな」って相手に思ってもらうことですから。

 

 

 

③わたしの正直な感情

 

①、②について伝えた後で、自分の正直な感情を伝えます。「困っている」「悲しい」「心配」などです。

 

 

これらを踏まえた上で、先ほどの例文を改めて書くと、

①テレビの音が大きいと(事実)

②頭が痛くなってしまって(影響)

③困る(感情)

となります。

 

最初のユーメッセージと並べて書くと、

 

・もうちょっとテレビの音量を下げてくれない?

・今日は少し体調が悪くて、テレビの音が大きいと余計に頭が痛くなってしまって、困るんだ。

 

どうでしょう?ユーメッセージは相手の行動のみを変える要求。アイメセージは、自分が困っていることだけを伝えています。今回はユーメッセージも柔らかい書き方をしましたが、これがストレスフルな状況だと、

 

 

「うるさい!!毎日毎日大音量でテレビを見て、いい加減にして!!」

 

 

と、なりがちです。文字として書けば、こういう言われ方をされて、自分の行動を変えようと思う人は少ないと思います。もしうまく行っても一時的なことで、その背景には「うるさいから」「言うことを聞かないとめんどくさいから」「怖いから」という、マイナスな感情からの行動変化なので、その後のコミュニケーションに影響が出ます。

 

 

 

 

 行動を変えてくれない?

さて、その上で、「アイメッセージで言ったのに、相手が行動を変えてくれない」というお悩みについてですが。

 

 

そもそもアイメッセージは、相手の行動変化を期待して行うことではありません。あくまでも自分の素直な気持ちをそのまま相手に受け取ってもらうために、喧嘩にならずに相手に伝えるためのツールでしかありません。

 

 

だから、アイメッセージの本当の極意は、「相手の行動が変わることを期待せずに、自分の気持ちを正直に伝える」ことなんです。相手の行動を変えることを期待して言葉を発した瞬間に、どんなに柔らかく、優しい言葉でも、その言葉はユーメッセージになります。

 

 

そもそも人は、変化を嫌うもの。さらには自分が今やっている行動を変えるということは、「自分が間違っている」ことを認めることになりかねません。「間違っている」気持ちが入った時点で、善と悪が存在するので、自分が「悪」であることを認めるという抵抗感も生まれるんです。

 

 

もし、万が一の可能性で、相手が行動を変えることがあるとすれば、「この人のために、少し協力したいなあ」って思ってもらうことです。そのために、普段からの関係づくりが大事になってきます。

 

 

 

そもそも、相手の行動を変える前に、あなたは妥協する予知はありませんか?または、相手に期待している行動について、「普通」や「常識」に縛られていませんか?

 

 

 

「家族で暮らしているから、音量には気をつけるべき」

「体調が悪い人がいるから、気を遣うべき」

「好きなことばかりしているんだから、せめて他の家族に優しくするべき」

 

 

冒頭に例としてだした話の「わたし」には、もしかしたらこんな思い込みがあるかもしれません。でも、本当にそうなんでしょうか?相手には相手の言い分があるもの。そして、わたしの「あたりまえ」は、相手の「あたりまえ」とは違います。

 

 

「家族として当然」「人として当然」このような思い込みが強い人ほど、相手へ要求していないような姿勢で、実は強固に相手が変わることを求める気持ちが、奥底に潜んでいるように思います。

 

 

 

アイメッセージを自分のものにするには、自分の中の相手への期待や思い込みを、解いていく作業が必要です。そうして、伝え方に工夫をして、どうしたら相手に響くかを考え、工夫し、伝え続けていくこと。

 

 

「家族なら当然」「人として当然」、ここでもやもやとしている人は、本当にその内容が「家族・人として当然」なのか、考えてみませんか?

 

 

わたし自身、「家族・人として当然」という気持ちがほぼなくなってからは、だいぶ軽く相手に伝えられるようになりました。

 

 

アイメッセージは、相手を変えるための手法ではありません。それを理解したうえで、ぜひ工夫して使っていってください。

 

 

縛られていた思い込みに気がついて、それを解いて軽くなっていく人がひとりでも増えたなら、とても嬉しく思います。(と、最後の文章だけアイメッセージで書いてみました。わたしもまだまだなので、日々修行中です。笑)

 

 

 

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