実は“技術”より“人間”の問題だった ― 国際航空の知られざる事情**
飛行機が離陸する前、必ずと言っていいほど流れるアナウンスがある。
「携帯電話は飛行機モードに設定してください」。
多くの人が従うが、心のどこかでこう思ったことはないだろうか。
「これって、本当に誰かがチェックしているの?」
「飛行機モードにしなかったら、空の上で何か危険が起きるの?」
アメリカの旅行作家タマラ・ゲイン氏は、これらの疑問に対して興味深い答えを示している。
そしてその答えは、私たちが想像しているよりずっと“人間的”な理由に満ちている。
■ 空の上で「飛行機モード違反」はバレるのか
結論から言えば、空の上で空姐(客室乗務員)がスマホの設定を検知する“機械”は存在しない。
つまり、
「飛行機モードにしていないスマホを、技術的に見破ることはできない」
ということだ。
ただし、だからといって完全にバレないわけではない。
離着陸のタイミングでスマホを操作していれば、普通に見える
画面が光っていればすぐに気づかれる
通話しようとしていれば当然アウト
つまり、“行動”でバレるのであって、設定をスキャンされるわけではない。
■ 飛行機モードのルールは「昔の通信事情」から始まった
飛行機モードの起源は、今とはまったく違う時代の通信事情にある。
アメリカのFCC(連邦通信委員会)は、
「機内の携帯電話が地上の通信ネットワークに干渉する可能性」
を懸念し、厳しい規制を設けた。
しかし近年の研究では、
「技術的な干渉はほぼ問題にならない」
とされている。
それでも規制が残っている理由は、実はもっと“人間的”だ。
■ 本当の理由:機内で通話を許すと「機内が地獄になる」
2013年、米国議員グレッグ・ウォルデン氏はワシントン・ポストにこう語った。
「もし機内で自由に通話できるようになったら、
3万フィートの密閉空間は、争いの絶えない場所になるだろう」
航空会社も同じ懸念を持っている。
大声で通話する人
仕事の電話を延々と続ける人
夫婦喧嘩を始める人
子どもに電話を渡して騒ぎ出すケース
想像するだけで、機内の秩序が崩壊するのは明らかだ。
つまり、
飛行機モードの本当の目的は「機内の平和を守るため」
という側面が非常に大きい。
■ 飛行機モードは「電池を守る」ためにも有効
もうひとつ、あまり知られていない理由がある。
飛行機が高度1万メートルを飛んでいるとき、
スマホは地上の基地局の電波をほぼ受信できない。
するとスマホはどうするか。
「電波を探し続ける」 のだ。
この動作は非常に電池を消耗する。
だから飛行機モードにすると、
無駄な電波探索が止まり、むしろ電池が長持ちする。
つまり、
飛行機モードは“スマホの省エネ機能”でもある。
■ 違反するとどうなる?
技術的に検知されないとはいえ、
離着陸時にスマホを操作していれば普通に見つかる。
実際、2011年には有名な事件が起きている。
ハリウッド俳優アレック・ボールドウィンが、
離陸時にスマホゲームをやめず、
航空会社から強制的に降ろされた。
この事件は当時大きな話題になった。
