熱海新聞 | お散歩日記

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路地裏、バラック、長屋、昭和の香りがする飲食街、遊郭赤線跡地、廃墟、古い町並み、山奥・・・・そんな場所を訪れては下手糞な写真を撮っております。

前記事にあげた湯河原温泉ペン街など熱海界隈の赤線史を掘り下げるべく、熱海のローカル新聞「熱海新聞」を紐解いてみました。









熱海新聞昭和三十二年十二月二十七日号より。下記は昭和三十二年度の十大ニュース。八番目に注目。「糸川花街、転廃業声明」と。糸川花街とは熱海の赤線街であります。




(記事を以下に引用)


東海一の赤線地帯熱海糸川花街も来春四月実施の売春防止法を控えて去る十一月本年一ぱい転廃業、従業婦前借棒引き解放を声明。五十七軒のうち約十軒が年始にデパート、バー、そばや等に転向したが、その他はいまだに転業のメドがつかず従業婦の希望もあつてどうやら来春二月一ぱい延長営業する見通しが強まつてきた。



(引用ここまで)




・・・・・・・昭和三十二年は言わば売春防止法実施の猶予期間。全国の赤線業者が転業か廃業かで大揺れに揺れた年。




また同一面「商店だより」には「糸川浦島が中華に転業」と見出し。『糸川町仲通りの旧特飲店「浦島」はこんど中華料理店大一楼に転業、近日開店に付き女店員三名男子見習い三名を募集している店主の加藤さんは元糸川入口で「大関そば」を営業、この道のベテランである。電話二六六七番。』と。






昭和三十二年度の住宅明細地図にて「ウラシマ」を確認。





次に昭和三十六年度の地図を出してみた。「丸一楼」とありますが、地図編集者のミスでしょう、正しくは「大一楼」であります。





実際に足を運んでみました。「大一楼」でランチを、と期待していたのですが営業時間外だったのでしょうか。残念乍、本日はお休みでした。





然らば旧糸川花街の別のお店の暖簾をくぐり「カツ煮定食」を食らう。旧赤線街で頂く食事は格別也。





空腹も満たされ、糸川界隈を散策。卒業旅行のシーズンでもあり、ヤングマングループやアベックと多くすれ違う。本日の熱海は心地良き小春日和。