♪旦那はんおいでやす 芸者ワルツでステップか、五條楽園花えくぼ、柳並木とぼんぼりが、ほのかに浮かぶ恋の道
・・・・こんな小粋な小唄が嘗て歌われていたようですね。
立派な佇まいの五条会館
嘗ての五条楽園歌舞練場ですね。
五条会館では街の人たちが中心になって、様々な催しを行っているそうです。前述の京都府警に因る一斉摘発を契機に、遊郭、赤線、売春と言う負のイメージを払拭させようとする新たな試みなのでしょうか。
外国人の方が描いたと思われるスプレーアート。五条楽園はアートな方々など、国籍を問わずオサレな若人をも魅了しているようですね。
嘗てのお茶屋を改築した洒落た飲食店。
同じくお茶屋を改築したカフェ。
場所柄、某指定暴力団との因縁があり、デリケートな歴史を持つ街である故、新たな街の息吹を呼び込むのは、様々な難問が生じるに違いありません。一斉摘発がある種の「政治力」の働いた結果だとすれば、時間をかけて新たな街へと生まれ変わる第一歩を踏み出した、と言えますが。その辺りの微妙な感覚をヨソ者である私が想像するのは少しばかり難があるようです。
次に五条楽園を訪れた時、どんな風にこの街は生まれ変わっているのでしょうか?
五条楽園からほど近い、鴨川沿いの喫茶店でモーニングを頂きました。
店内に流れる音楽はオールディーズ。客は出勤前の老紳士と私、そして六十代と思しき人懐っこそうなマスター。
マスター「お客さんはどちらから?」
私「新潟からです。今朝着きました」
マスター「へぇー。京都大学の関係?新潟から研究員の方がよく来られるんです」
私「違いますよ。祇園界隈を散策しようかと・・・・。京言葉、何だか良いですね」
マスター「おおきに!」
マスター・・・・実は祇園なんて散策するつもりはないのです。これから、おけいはんに乗って遊郭跡地を巡礼する為にはるばる九時間もかけて新潟からやってきたのですよ。