■インボイス制度が始まったらどうする?-(1)あえて課税事業者(原則)になる■ | NPO法人を応援する税理士 浦田 泉のブログ

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【ポイント】
インボイス制度がはじまり、インボイスの発行が求められるNPO法人は、法人の活動内容によってはあえて課税事業者(原則)になるという手が考えられます。


消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)が、2023年10月1日から始まります。
インボイス制度がはじまると、インボイス(適格請求書等)の保存等が仕入税額控除の要件となるため、買手は売手に対してインボイスの発行を求めてきます。
インボイスの発行ができるのは、税務署の登録を受けた消費税の課税事業者に限られます。免税事業者はインボイスの発行ができないため、現在免税事業者であるNPO法人は今後どうするべきか、真剣に考えなくてはいけないのです。

現在免税事業者である法人が今後どうするべきか、考えられる方法は3つあります。
(1)あえて課税事業者(原則)になる
(2)免税事業者を続ける
(3)簡易課税事業者になる

いずれの方法もメリット・デメリットがあり、法人の活動実態にあわせて選択することが大切です。
今回は(1)あえて課税事業者(原則)になるとどうなるのか、ご説明いたします。

課税事業者(原則)になると、当然、消費税の申告・納付の手続きが必要になります。
申告・納付の期限は課税期間(事業年度)の末日の翌日から2月以内ですので、ざっくりと「法人税と同じタイミングで申告・納付」と考えてよいでしょう。

また、仕入税額控除を受けるために、インボイスの保存が必要になりますので、仕入れや経費の支払いの際にはインボイスをもらうように徹底することも大事です。
帳簿の記載方法も定められた形がありますので確認しておきましょう。

申告・納付の手間が増える、組織のメンバーにインボイスをもらうことを徹底してもらうなど、手間ばかりが増えていいところがないように思える課税事業者(原則)ですが、法人の活動によっては、納税についてはあまり考えなくてよい可能性もあります。

消費税の納税額は原則として、売上等で受け取った消費税額-仕入れや経費等で支払った消費税額=納付税額で計算します。
NPO法人の場合、会費や寄附金など消費税のかからない売上で活動している法人も少なくありません。
こうした法人の場合、売上等で受け取った消費税額が少額なので結果として納税額が極めて少額になることがあります。
(なお、特定収入割合(寄附や会費などの対価性のない収入(特定収入)が「課税売上+免税売上+非課税売上+特定収入」に占める割合)が5%を超える法人は、特定収入に係る仕入れ等の消費税額を、仕入税額控除からマイナスする特例計算を行うため、寄附や会費が多い法人は消費税が必ず還付されるということはありません。

インボイスが発行した小規模法人は、活動内容によってはあえて課税事業者(原則)となり、法人のガバナンスの見直しに利用することもアリかもしれませんね。


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