今月18日に開催する「フランス・オルガン音楽の魅惑」Vol.3公演に出演するオルガニストのヴァンサン・デュボワより、公演に向けて、プログラムや住友生命いずみホールについてメッセージが届きました
今回の公演では、何より19世紀から20世紀にかけてのフランスで、セザール・フランクの活躍を受けて流行しはじめた交響楽派のオルガン音楽を代表する名演奏家=作曲家たちを大きくとりあげているのですが、そこに登場するヴィエルヌ、デュプレ、コシュローら3人の作品を通じて、彼らが専属オルガニストをつとめてきたパリ・ノートルダム大聖堂ならではの美意識を伝えようとするものでもあります。
12世紀以来ずっとパリの只中に聳え立っているあの大聖堂がどのような空間で、そこにどのような楽器があり、どんな作曲家たちがそこで活躍してきたのか、感じ取っていただけるようであれば幸いです。
この公演で目指しているのは、選ばれた演目のそれぞれを、確かな表現力と抒情性をもって演奏すること。そしてその中で、いずみホールのオルガンで使える多彩な音色の全てを活かして、この楽器に秘められた表現の可能性を最大限に引き出すことです。まさしく、音の万華鏡のごとき音楽世界に出会える演奏会になるでしょう。
大阪の住友生命いずみホールは立派な演奏会場ですから、そのような場所で演奏ができるのは光栄ですね。またコシュローの《ボレロ》では日本の打楽器奏者たちと共演できるのも楽しみです。一度聴いたらもう忘れられないような曲なんですよ。これが初めて演奏されたのもパリのノートルダム大聖堂で、華麗の極致ともいうべきものが詰まったこの曲こそ、音を通じてあの大聖堂空間を思い描こうとする上で絶対に欠かせないと思ったのです。
(訳:白沢達生)
ノートルダム大聖堂の現役オルガニストが描く、その歴史と音楽をご堪能ください
◆フランス・オルガン音楽の魅惑 Vol.3 シンフォニーそして現代
【日時】2023年11月18日(土)16時開演
※14:30よりプロデューサーM.ブヴァールによるプレレクチャー実施(通訳:宇山=ブヴァール・康子)
【出演】ヴァンサン・デュボワ(パイプオルガン)
森本瑞生、丹治 樹(打楽器)
ミシェル・ブヴァール(お話/プロデューサー)
公演の詳細は、こちらから。