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今日は父の命日


36年前の今日は

どんなお天気だっただろう


高校卒業し

大学に入学したばかりの私


父が悪性だとは

知らなかった


今は

絶縁となった母だが


当時は

長女の私にも

父の病名は伏せて

いてくれた


母の娘への

思いやり、


母の一人抱えていた

苦しみを思うと


今、切なくなる


知っていたら

受験生の私は

どうなっていたのだろう


お母さん

ありがとうね



父は

ストマ

(人口肛門)だった


父が肉体を手放して

数分後


ストマから


プスっと


大きな音がした


ストマから

こんな勢いの良い

快音(オナラ)は

聞いた事が無いって

ドクターが

言った



解放されたから

気持ち良くなったんだね

お父さん


「パパ

これで

気持ち良くなれたね


不自由な肉体は

手放して

天国に登ってね」


穏やかな寝顔の父に

母が言った記憶が

今もある



父のお葬式の日は

晴天で

暖かい日だったなぁ


亡くなったのは夜中で

何日か前から

ずっと病院の部屋で

父と居たから


お天気だったか

分からない


パパっ子だった私は


小さな頃

お風呂上がりに

父のあぐらの間に座り

髪をドライヤーで

乾かしてもらったっけ



お風呂上がりの

パパの匂いが

私は大好きだったよ



父が息を引き取り

都内の病院から

永遠の眠りについた

父と一緒に

実家に着くと


母方の祖父母が

祭壇の前に座っていた。


私と妹が

祭壇の前にいくと


すぐに祖父が

私と妹を抱きしめ


「もう大丈夫だぞ。

爺ちゃんが来たからな。

何にも心配要らないからな。

よしよし」と

私と妹の頭を

ぐちゃぐちゃに

撫でてくれた


良くわからないけれど、

とっても

安心して

爺ちゃんに

抱きついたなあ。


その爺ちゃんが

分厚い封筒を

祭壇の上に

置いたんだよなぁ。


300万円

入っていたんだよね。

36年も前に。


大金だよね。


その時は

私と爺ちゃんが

血が繋がっていないなんて

思いもしなかったよ


爺ちゃん。


小さな頃から

めちゃくちゃ

可愛がってくれて


じいちゃんの

魚屋の店先は

バスの停留所で

バスを降りて

通る人に

赤ん坊の私を

抱っこして

かわいいだろう?

と見せていたんだよね


私が小学生の頃

嫌な子がいて

学校休みたいって言ったら


その子の家に

軽トラで

怒鳴り込んで

行ってくれた


ねじりはちまきが似合う

魚屋だった爺ちゃん


祖母は

母を連れての再婚で


だから

私と爺ちゃんは

血の繋がりは

無かったって

知ったのは

爺ちゃんが

天国に行ってから

だったもんね。


愛は死より深く強し

今、

夫とチビは

血の繋がりは

無いけど

口癖や仕草が

似ていて

不思議だよ


血なんか

関係ねーさ!

って

爺ちゃんが

言ってるね



父さん

爺ちゃん


私の

かわいい兄ちゃんが

私より先に

そちらに行ったから

ビックリしたよね?


私が行くまで

みんなで

よろしく楽しく

やってね✨


血の繋がりを

越えるもの