春は
思い出が
あり過ぎて

ただ
ただ
涙ばかり。


家に1人だと
おかしくなりそうで
朝から
出かけてみた。
あてもなく。


車を運転していたら
紛れるかと思って。

兄ちゃんが
社会人になってから
住んでいたアパートの
近くに行って
みたかったけれど

やはり
行けなくて。

リサイクルショップ
巡りをしてみた。


あちらこちらのお店を
なんとなく
ブラブラ

兄ちゃんが
前に乗っていたバイクが
駐車場に停まっていて


ジーッと
中から
バイクの運転手さんが
出てくるの
待っちゃったり。


帰り道
前を走る赤いバイクの
後ろを
ずーっと走って。
車間空けて走ってたら、
トラックが
割り込みしてくる。


割り込みしないで!

危ないじゃないか!
車内で
ブツブツ。


なんか

涙ばっかり
出ちゃう。


どんなに
兄ちゃんを
尊重しても

兄ちゃんが
居ない。


兄ちゃんは
今、
自由に
大空を走ってるんだ。
何も苦しくないんだ。


そう思っているけれど

一緒にアパートを
見に行った春

一緒に大学受験するので
ホテルに前泊した春

父さんとチビと
夜行バスで行って
バンのレンタカー借りて
引っ越しした春

チビの小学校の
卒業式に
一緒に出て
大泣きしてた春


春は
辛い。


大きな波を
去るのを
待つけれど

すぐに
また大きな波が
来ちゃう。



兄ちゃん

兄ちゃん