月命日の
昨日の夜
父さんと泣いたよ。
君に逢いたいって
二人で泣いたよ。
父さんは
涙見せずに
肩を震わせていたよ。
君と父さんとの時間は
6年
6年前
私に届いた一枚の手紙
実家で暮らす私に
大学生の頃から付き合っていた
今風に言うと
元彼から手紙が届いて。
結婚しようと
決めていた人だった。
でも、
二人の何かがすれ違い
別々の道を歩く事になった。
私は2度の離婚で
男なんて
結婚なんて
まっぴらだと
仕事と子供だけの
毎日だった。
子供の成長が
悦びで
私が大学生の時
知り合った彼は
まっすぐで
ステキな人だった。
その彼から手紙が届いて。
驚きだった。
順風満帆で
幸せな人生を送っていると
思っていた彼は
一人で、
大学生と、もうすぐ大学生になる
三人の息子を
男手一つで
育てているようだった。
しかも奥さんとは
死別では無い。
子どもを置いて女としての
生き方を選び
彼はシングルファーザーだった
彼からの手紙には
近々、
私の実家の近くに仕事で
行く事になったと
書いてあった。
良ければ
魚の美味しい店を
教えて欲しいと
手紙には書いてあった。
今は認知症の
私の母が
彼からの手紙を
郵便受けから
取った。
彼の名前を母も覚えていた。
「ねえ、これS君じゃない？
懐かしいね」
と言い
私に手紙を渡してくれた。
付き合っていた当時
家族にも紹介して
家族ぐるみで付き合っていたので
母も嬉しいようだった。
そして
再会し、
しばらくして
結婚して
家族になろうと
言われた。
もし、
子供達が
賛成してくれるならね、と。
彼なら、
彼となら
そう思いながらも
いやいや
もう結婚は、、、
こう思う
私の気持ちをよそに
チビは彼が大好きで
お父さんになって
なってと
いつも言っている
それでも
私は
決められなかった
大学生で実家から
離れて暮らしていた兄ちゃんが、
わざわざ実家に来て
私に言った
「母さん、結婚しなよ。
俺はSさんなら大賛成！
あの人はステキな人だよ。
絶対間違いないから。
母さんは幸せに
なっていいんだよ。
今まで苦労して俺らを
育ててくれたでしょ？
じゃあさ、俺が頼んでくるよ。」
ってね。
「Sさんはさ、
母さんの2度の離婚を知って、
泣いたじゃん。
母さんを2回も
苦労させてしまったって。
僕があの時母さんと
別れなければ
母さんを悲しませずに
いられたのにって
泣いていたじゃん。
そんな人いる？いないよ。
離しちゃダメだよ。
母さん、Sさんと
家族になろうよ。」
って、
日頃強く言わない君が、
強く言ったよね。
兄ちゃんは
Sに
「母さんとチビを
よろしくお願いします。
俺はSさんなら大賛成です。
でも、
もし母さんを悲しませたら俺は、
Sさんをぶっ飛ばします。
もし母さんが
Sさんを悲しませたら
俺が母さんをぶっ飛ばします。
どうぞ
よろしくお願いします」
って
言ったんだよね。
Sは、
そして父さんになった。
私はなんと、
五人息子の
母さんになった。
映画「君の名は」
を観た直後に
兄ちゃんから電話があり、
「母さん父さん、
この映画は2人の物語だよ。
絶対観てきて。」
と言ってたね。
友達から聞いたよ
「母さん父さんが幸せで、
俺は本当に安心してるんだよ」
って君が言ってるって。
君がバイク乗る事も
父さんは一番の理解者。
中免持ってる父さんは、
怪我を心配する私に
「バイクで風を切る
気持ち良さは、
乗らない人には
分からないよな」
と言って私をなだめて。
兄ちゃんが逝った時に、
なんでバイク許したと
言っている人に、
「あいつは念願の
好きなバイクを
自分の稼ぎで買って、
きちんと装備もして、
だから幸せで、
悔いもなくて
見事な人生なんです」
って
言ってたよ。
集中治療室に入って、
私より先に駆け寄って
「父さんだぞ。
父さんが来たぞ。」
って言って
泣き崩れて。
二カ月たった今も、
父さんは胃薬を
こっそり毎日飲んで、
口の端は切れて
治らないし、
皮膚の痒みと
手足のしびれも治らなくて、
でも平気な顔して
毎日仕事行ってるよ。
君の
ありがとうの会に
駆けつけた
心友のK Oは
「俺が死なずに
今いられるのは、
あいつが助けてくれたから。
いてくれたから。
あいつを生んでくれてありがとう」
って泣きながら
私に言ったよ。
君は愛されている
君がステキな子だから
今日も秋晴れ
あっ。
風が今吹いたよ
大空を走っているね
君は誇り
君は輝き
君は宝
君は
私の命
命は尊い
旅立ちして2か月の時に
書いたブログ
誰かのチカラになればいいな