民進党の消滅、小池新党の立ち上げ等、小池劇場の風が吹き荒れる(TVの中だけは)今回の衆議院解散です。

  希望の党に合流するという奇策で、憲法観などの基本的な考えからバラバラであった民主党が崩壊し、自民党に対抗できる保守政党になるというのは前原代表の計算どおりだったのでしょう。

 しかし、リベラルを排除したとは言うものの、旧民進党の候補者はこれまでと180度違う事を言って新党に参加し、一部では選挙で当選したら抜けるという話があったり、選挙のための看板の付け替えに過ぎないのではないかと思われます。

 出来上がったものが第二民主党ではどこに希望があるのでしょうか

 

 代表の小池氏も現実的な安全保障政策を進めるというのには賛成ですが、正直言って、胡散臭いものを感じます。

 小池氏は都議会自民党を抵抗勢力として、TV受けする批判で都議会選挙で勝利しました。

 しかしながら、政局以外では都政で何の実績もあげておらず豊洲移転問題をこじらせただけ。オリンピックの経費削減もできていない

 果ては、1年ちょっとで国政進出し、それに反発して、最初の都知事選の時から手伝ってきた音喜多都議ら2名が昨日、都民ファーストの会を離脱しました。

 音喜多氏曰く、しがらみの無い政治、都政の透明化を訴えてきた都民ファーストが、以下のとおりそれに反することをやったから離脱するのだという事です。

・都民ファでは密室で代表者が選ばれ意見ができなかった

議員の自由な発言が封じられ、TVなどメディア出演が規制された。

希望の党が右から左まで主張理念が異なる人が集まった選挙目当ての野合にしか見えない

都議選の翌日に知事に専念すると言って、都民ファの代表を降りたのに、すぐに国勢政党の代表になるというのは理解できない

 

音喜多氏の指摘はごもっともだと思います。

 

話題を変えて、今回の選挙の経済政策に関してですが、

安倍政権が2度延期してきた10%への消費増税(増税分は子育てにあてる)を認めざるを得なかった点は非常に残念です

 

 日本に財政問題など存在しません。教育無償化の財源は教育国債でやるべしとこのブログで書いてきましたが、安倍政権では、税率2%の範囲でやるという事にしたのでしょう。

5→8%の時に失敗したのは、消費税で3%分国民の所得を奪ったのに、それに見合う財政出動をしなかったからです。

 財政出動と金融緩和のセットこそが、唯一の経済正常化、インフレ化への道です。

 今回は前回と違って、消費増税分で国債を償還するなどというバカな事はしないみたいですが、もっと財政出動しないと景気が冷え込み、増税したのに税収が増えないという事態になりかねないと危惧します。

 

 一方、経済政策に関しては「ユリノミクス」なる代物を示しております。消費増税凍結を掲げているのは賛成ですが、正直言って、安倍政権に対抗する人気取り以外の意味合いがあるとは思えません。

 なぜなら、希望の党の経済政策には、「金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間の活力を引き出す」という何をするのか全く分からない抽象的な文言しかないからです。

 アベノミクスが現時点で失敗しているのは、財政出動に依存するどころか、最初の1年しか財政出動せず、2年目には消費増税で財政が逆に足を引っ張ったからです。財政出動以外にどうやって民間の活力を引き出すのか?規制緩和だけで経済が活性化するのか?

 こちらも非常にうさん臭いです。

 

 最後に、うさん臭すぎて逆に面白かったものは12の「ゼロ政策」です。

 その中でも「花粉症ゼロ」を掲げたのは驚きでした

日本中の杉や檜やブタクサを全て伐採するという事でしょうか。どう考えても実現不可能ですが、子どもでも無理だとわかる事を堂々と掲げるのは逆に面白く、インターネットでも注目が集まっておりました。