民進党の山尾志桜里議員の待機児童の質問で、山尾議員の質問は民進党が待機児童を減らしたが、安倍政権では待機児童が増えていると指摘した事について、昨日このブログでも取り上げました。

 

 これに対して、安倍首相は民主党政権の2.5倍保育所整備を進め、民主党政権が何もしてこなかった保育士の処遇改善にも取り組んだと反論した事をお知らせしました。

 

 私も待機児童の増加は民主党政権時代よりも女性の雇用者数が150万人増えており、政権時代に何もして来なかった者が無責任に批判するのはおかしいと指摘しました。

 

 それに加え、インターネットでは山尾氏が主張してる、民主党が待機児童を減らしたというのは嘘ではないかという指摘が広まっているようです。

 

まずは山尾氏が民進党が待機児童を減らしたというグラフをお見せします。これはNHKの国会中継で使われたグラフと同じものだと思います。

 

 このグラフを見ると、リーマンショック以降急増した待機児童が、民主党政権で3534名も減少して、その後、第2次安倍政権になって増加に転じているように見えます。

 

 しかし、昨日も書いたように民主党政権は2009年~2012年までです。グラフでは2011年~2013年が民主党政権になっている。これがまずはおかしいという指摘です。

 これは山尾議員が予算を組んだ次の年まではその政権の担当という理屈みたいです。 

 その理屈で言うと、2009年に政権交代があり、2010年度予算を民主党政権が編成し、その結果が2011年に出るからという事のようですが、これは大変都合の良い理屈だと思います。

 というのも、まずは予算の効果が次年度にしか出ないという仮定が有り得ません

 年度内の予算執行の効果を完全に無視しているからです。

 実際は年度ごとに見ていく必要があります。

 第2次安倍政権は2012年に政権交代し、2013年度に予算編成しています。

 2013年度予算は4611億円と、前年度から300億円の増となっています。(待機児童7万人分の施設増加の財源)

 

 良い所どりしてるとしか思えません。待機児童に関して民主党政権に責任がある年度は2010年~2012年というのが妥当なところでしょう。

 しかし、山尾氏は適当な理由を付けてそうしなかった。

 そうすると、一番悪いピークの2010年が民主党政権になるから都合が悪いのです

 

 また、そもそもの数字はどうなのかを見る必要があると思います。

 以下は厚労省の提供しているグラフです。

H20 2008 19,550 ⇒ H21 2009 25,384 ⇒ H22 2010 26,275
H23 2011 25,556H24 2012 24,875 ⇒ H25 2013 22,741
H26 2014 21,371 ⇒ H27 2015 23,167

 

 このグラフでは、平成28年度のデータはまだありませんが、2010年を除いても、そもそも、第2次安倍政権よりも、民主党政権の方が待機児童が多い訳であります。

 

 昨日から、政権時代に何もしなかった人間が批判するのはどうなのかと指摘していますが、そもそも、自分達の方が待機児童を多く発生させてたんじゃないか。

 

 しかも、昨日書いたように、「その時は今よりも150万人女性の就労が少なかったにも関わらず」です

 

 批判しようという気持ちが先に立つからこうなるのです。

 

 選挙に負ける度、民進党は反省して頑張るという言葉は繰り返ししていますが、その反省がポーズである事は、こういう質問を何度も見せられて国民は見透かしているという事なんだと再認識した山尾氏の質問でした。