昨日、三木市議会9月定例会が閉会しましたので、その内容をご報告します。

 

今回の定例会では、議決事項としては、一般会計補正予算が多少ある程度で、あまり多くありませんでした。

 

そういう事もあってか、本会議の質問も90分の時間を大分余らせて質問を終える議員もいました。

 

補正予算の主なものとしては、①小規模保育施設の整備1,768万円、②B型肝炎ワクチンの対象年齢の引き上げ1,892万円、③イノシシによる農業被害対策2,525万円などがあります。

結論を先に書きますと、今回の議案は全て全会一致で可決しました。

 

①は先日の広報みき9月号の別冊として全戸配布された幼保一体化計画の一部見直しとも絡むものです。

以前から度々お知らせしていますが、三木市の子どもの人数増や、保育料無償化を見越して0歳児から預ける保護者が急増した事などから、子どもを希望する園に預けられない家庭が増加しています。(国の基準の待機児童はゼロです)

そんな中で、6月議会では市民の方から、保育の受け皿として公立の志染保育園、三樹幼稚園、三木幼稚園の3園の廃園延長を求める請願が出された事もあり、市の方で、幼保一体化計画の見直しが行われました。
 

私自身、必要があれば、随時計画の見直しをすべきと議会で主張してきたので、今回の市の対応は妥当だと考えます。

 

市の幼保一体化計画の一部見直しの変更点については、

A)三樹幼稚園の廃園をH30年度末⇒H35年度末に延長三木地区(平田、大村など)での子どもの増加に対応するため

B)志染保育所の廃園をH33年度末⇒H35年度末に延長(保育需要の増加に対応するため)

C)保育料100%軽減について、

来年度から0~5歳無償化

⇒0~2歳は50%軽減を当面維持し、H32年度から無償化

 3~5歳は来年度から無償化。(急増する0歳からの保育需要に対応するため、0~2歳の100%無償化を見送りする)

 

C)については、以前6月議会でもお知らせしましたが、保育士の配置等現実を見るとやむをえないと私は考えます。

<保育士の配置基準>

・0歳児:保育士1人につき子ども3人
・1、2歳児:保育士1人につき子ども6人
・3歳児:保育士1人につき子ども20人
・4、5歳児:保育士1人につき子ども30人

 

当初は、0~2歳児の無償化見送りの財源について、小規模保育施設の運営費の他に、年6万円を家で0~2歳児を見る世帯に給付するという案もあったようですが、それについては、三木っ子未来応援協議会などでの議論では、現金給付よりも他の子育て支援を充実して欲しいという意見が出され、それを受けて、市は子ども園に預けていない家庭に対する一時保育の充実や、公園の遊具の充実に充てられるという方針に変わりました。

 

前置きが非常に長くなりましたが、こういった議論を踏まえて、今回、0~2歳児の受け入れのため、市では民間事業者に5園の小規模保育施設の設置のための準備費用を補助します。5園はいずれも第一園区(三木、別所地区)です。

小規模保育施設は0~2歳児を対象に最大22名の児童が就園可能な施設(0歳:4名、1歳:6名、2歳:12名を想定)です。

 

5つの園はいずれも現在民間の認定こども園を運営する事業者の関連施設として運営され、小規模保育施設で3歳を迎えた子どもは、本園である認定子ども園に入学できるような制度を想定しているようです。

 

やはり、0~2歳までは預かってもらえても、3歳になって預ける所がないという事では大変困りますので、そういう制度は是非とも必要だと私も考えます。

 

現在、特に、第一園区のこども園の就園希望が増加しております。

その理由としては、①第一園区で児童数が増えている事と、②第二園区(自由ヶ丘、緑が丘、青山、志染地区)のこども園が少なくて、第二園区から100名程度が第一園区に流れている事もあります。

 

そんな中で、緑が丘のこども園(定員100名)が来年度開園する事と、5園の小規模保育施設という新たな受け皿が来年度以降できてくる事は非常に重要な事です。

 

前述のとおり、小規模保育施設の予算は可決されました。

 

幼保一体化関連については、今回、また市民の方から請願が出されています。

それは現在0歳の受け入れを停止し、段階的に廃園となる予定の上の丸保育所で、廃園まで0~5歳の児童の受け入れをして欲しいという物でした。

この請願については賛成少数で不採択となりました。私の会派も反対しました。

 

反対した理由としては、児童の安全面を考えると、耐震化工事ができず、老朽化した上の丸保育所で新たに0歳児を受け入れる事に議会として責任を持てないからです

 

上の丸保育所は三木城址として、国史跡の指定を受けており、そこでは基本的に地面に杭を打つような工事はできないため、基本的に耐震化の工事はできないと聞いています。

そのため、現状は窓枠など、非構造部材の耐震化に留まり、当然ながら、本体の耐震化はしていません。

 

請願に賛成する議員が言っていた、安全じゃないなら即座に廃園するべきだという意見はナンセンスだと思います。

耐震化できない事を知った上で、上の丸保育所に預けている保護者の皆様の事を考えると、即座に廃園など、現実的ではありません。

 

これに対して、共産党の某議員は、国史跡指定を行った文化庁に確認したところ、「必ずしも耐震化工事ができないというものではない」と答えたと言い、教委は信頼を失ったと、教育委員会があたかも嘘をついているというような趣旨の討論を行いましたが、これは完全に眉唾物だと思います。

十中八九、「絶対に耐震化工事はできないのか」などと誘導尋問して「絶対に耐震化工事ができないという事ではない」という答えを引き出したというオチだと思います。

 

上の丸保育所を耐震化工事するためには、少なくとも国史跡の管理計画の変更が必要で、文化庁との折衝など、非常に大変な作業だと私は推察します。

 

私も以前、この件とは全く別件で、三木城址に三木城の一夜城を作りたいと考えた事があり(結局しませんでしたが)、教育委員会から国史跡なので杭は打てないと注意されました。

国史跡の管理についての教育委員会の姿勢は一貫しています。

文化庁が否定したら某議員はどういう責任を取るのか注視したいと思います。

 

②のB型肝炎ワクチンの接種補助については、今年度から0歳児について国の定期接種(国が接種を強く薦めているワクチンで、ほとんどが無料となる)となりましたが、三木市単独で1、2歳児も接種の対象とするものです。

 

③イノシシによる農業被害対策については、イノシシ等の防止柵の設置に対する補助を市は10年計画で行う事としていますが、地元住民が施工した場合、地元の金銭的負担なしで柵が設置できるという国の補助制度を活用する事による市の負担分です。