現在、国政の状況は衆参両議院で自民党が単独過半数を獲得する「一強多弱」の状況であります。(ただし、地方政治がそうでない事は今回の東京、そして、大阪、沖縄などが示しています。)
そして、衆参ともに3分の2が改憲勢力とメディアからは言われている状況になっています。
つい3年とちょっと前までは民主党政権であったという事が信じられないほどです。
日本の戦後政治の中で、55年体制成立後、自民党は常に政治の中核にありました。
一方で、野党は万年野党として、特定の支持層からの支持を受け、政権を獲得する事は無いので反対だけしていれば良かったという時代が長く続きました。
その後、自民党的な政治体制を批判し、日本新党などの連立政権、そして民主党という二度の政権交代が起きました。
しかし、結局は政権交代が日本政治に変革をもたらせず、公約を果たし得なかった事で、自民党以外に政権担当能力が欠如していると多くの国民から見られるという逆効果を生んでしまったのではないでしょうか。
現実の人間関係でも口で言うだけで有言実行しない人は信頼を無くしますがそれと同じだと思います。
権力の監視を大義として掲げるマスメディアはどうかというと、テレビ朝日は上層部が政権交代のために日本新党等に有利な偏向報道を指示した(椿事件)とされています。民主党の政権交代の時もメディア全般として、多少そういう報道傾向はあったでしょう。
政権交代失敗の失望感はそれを間接的に支援したマスメディア(特に左派系メディア)にも向けられているのでは無いかと思います。
特に、インターネットで個人が自由な意見表明ができるようになり、それが広く拡散される時代にあってはマスメディアの露骨な世論誘導はすぐに看破されるようになっています。
現在、自民の一強他弱で55年体制の復活と言われていますが、まさにそのとおりで、今回の参院選で改憲勢力で3分の2を獲得したのは、自民党が優れているというよりも、対案を示さず反対だけの野党が劣っていたためとしか私には思えません。
その構図を反省するどころか、カーボンコピーして繰り返したのが、今回の東京都知事選挙での鳥越俊太郎氏では無かったでしょうか。
鳥越氏はそもそも、出馬のきっかけとして、参議院選挙の結果に危機感を持った事をあげ、東京都政に関係の無い所からスタートしています。
要は都政に関係の無い国政の安倍政権に一矢報いる(=安倍に反対する)ために東京都知事選挙を利用するという事です。
そんな状態でのスタートですから、政策なんて全く用意されていませんでした。公示2日前の段階で都政についてはわからないと答えておりました。
選挙中は離島地域だけ消費税を5%にするとか記者時代の能力すら疑わしい思い付き発言も飛び出しました。
街頭演説の回数は他者と比べて一際少なく、巣鴨の演説では内容が応援弁士の森進一の紹介の40秒だけで終わるなど、激務の都知事が務まるのかと、体力面でも不安が指摘されていました。
教え子の女性とのスキャンダルについては、スキャンダルそのものというよりも、その後の「事実無根」と説明を拒否し、弁護士に丸投げした対応が公人としてふさわしくないと思われたのではないでしょうか。
急遽野党統一候補として鳥越氏の名前が浮上した際、先に出馬を表明していた宇都宮健児氏は選挙事務所に「早く降りろ」などと大量の電話、メールによる誹謗中傷が殺到(野党統一候補を応援する人から)し、辞退せざるを得なかったと最近インタビューに答えています。
また、鳥越氏の淫行報道などで選挙情勢が厳しくなってから、宇都宮氏は鳥越陣営から応援演説を頼まれましたが、断っています。
自分の掲げた政策を実現する事、女性問題への対応をきっちりして欲しいという事、討論番組に逃げずに出席して欲しいと要望したが、そのうち女性問題への対応については「事実無根」だと対応しなかった事が応援を断った理由と語っています。
女性の証言がある以上、何ら反証も無い中で事実無根とするのは女性への更なる人権侵害であり、弁護士として人権問題にも携わってきた自分としては応援できなかったという事です。
すると今度は「なぜ応援しない」「早く応援にいけ」という誹謗中傷が殺到したそうです。
そして、宇都宮氏は野党勢力が安倍政権を独裁と批判しながら、自身も「密室でものごとを決める」「独裁だ」と厳しく批判。これでは「日本のリベラルは勝てない」と総括しました。
宇都宮氏を前2回の都知事選挙で支援した共産党は、今回、野党統一を優先するあまり、密室で候補者を決定し、宇都宮氏をひきずり降ろしました。
野党勢力こそ独裁的だと宇都宮氏が言うのはもっともだと思います。
共産党代表の志位委員長は代表選挙も無く、16年間も代表を続けているとネットでは最近よく批判されています。
共産党は自民党総裁任期6年の安倍総理を「独裁」「暴走」などと批判していますが、それよりもよほど非民主的でしょう。
独裁的、スターリン主義的というのは共産党的には褒め言葉なのかも知れませんが。
長くなりましたが、これらのマイナス要因の当然の帰結として、保守分裂、野党統一選挙にも関わらず、鳥越氏は次点にも入れなかった大惨敗を喫する事となりました。
最後に、鳥越氏がハフィントンポストに惨敗となった都知事選挙についてインタビューを受けているのでご紹介します。
「ペンの力って今、ダメじゃん。だから選挙で訴えた」鳥越俊太郎氏、惨敗の都知事選を振り返る【独占インタビュー(前編)】
http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/10/shuntaro-torigoe_n_11422752.html?utm_hp_ref=japan
「戦後社会は落ちるところまで落ちた」鳥越俊太郎氏、惨敗の都知事選を振り返る【独占インタビュー】
http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/10/shuntaro-torigoe-2_n_11424086.html
このインタビューに鳥越氏の本質がよく表れていると思います。
都合の悪い事は全て「僕は知らない」「他人が勝手に決めた」と他人事です。責任感が一切感じられません。
インターネットの討論会についても知らないと言いながら、「僕はニコ生は基本的にメディアとして認めていない、悪いけど。あんな文字がどんどん画面に出てくるようなところに出たくないですよ。」とインターネットを上から目線で否定。
「安倍政権の跋扈を許しているのはペンとテレビでしょ。メディアが肝心のところを国民にちゃんと訴えないから、こうなるんでしょ。」
「世論調査と内閣の支持率を見ると、今の国民ははっきり言うと、ボケてますよ。私に言わせると。」
と、野党(=自分の考え)が支持されていない事を自分達が間違えているとか、自分にも責任があると考えず、これも他人のせいにする。
俺の考えは正しいのに、国民はバカだから理解できないんだという傲慢なエリート意識には驚きあきれます。
これが左派マスメディアの象徴的な人物、鳥越俊太郎の正体です。
傲慢でもエリートならきちんとした論理があるはずですが、私は鳥越氏がきちんとした論理で話しているなと思った事は無く、感情論で話しているなと感じた事は枚挙にいとまがありません。
逆に国民からしたら、あんたこそバカにしか見えないよと言いたくなります。
ネットでは、鳥越氏が自分の家の棚にあるDVDを買って帰り、「これはボケだ」と自ら認めている6年前のインタビューなどが話題となり、選挙中からボケ老人というのがもっぱらの評判でした。
https://www.youtube.com/watch?v=khjafWmgWY0
皆様、今後こういうバカなボケ老人に騙されないように注意しましょう。