昨日と本日、本会議が開催され、8人の議員が質問に立ちました。


 幼保一体化関係の議案で議論になったのは、保育士の確保対策と、3月議会で修正案が可決された幼稚園と保育園の先生の給料表の統一です。


 まず、幼稚園と保育園の先生の給料表の統一について説明します。

 

 三木市は幼稚園の先生(幼稚園教諭)は独自で教育職給料表という給料表を適用しています。

 一方で、保育園の先生(保育士)は行政職給料表が適用されています。


 三木市の公立の幼稚園、保育所は最終的に集約され、こども園になります。


 こども園では、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を持った保育教諭が働く事になります。

 

 そこで、3月議会に公立の幼稚園と保育園の先生の給料表を行政職給料表に統一するという議案が提出されました。


 行政職給料表に統一する理由としては、国が保育教諭の給料表を提示しておらず、兵庫県の他市の保育教諭の給料表は全て行政職給料表が適用されている事などです。

 

 最終的に全員がこども園で働く事になる公務員の幼稚園教諭と保育士の給料体系が同じになるという事は当たり前の事だと思います。


 しかし、この案については、市当局と組合との交渉が議会への議案提出直前まで全く無かった事が議会全体から問題視され、2つの修正案が出されました


 一つは幼稚園と保育園の先生の給料表の統一を取りやめる案。


 もう一つは、私が提案した行政職給料表の統一は認めるが、一方で幼稚園教諭の給料が低下しないように、現給保障(現在の給料を維持する)を無期限で行うという案。

 教育職給料表の方が給与水準が高いため、そのまま行政職給料表に移行したら一部の幼稚園教諭の給料が低下するので現給保障する。一方で、保育士は全員給料が上がるという案です。


 結果としては、前者が勝ち、幼稚園教諭と保育士の給料表の統一はとりやめになりました。


 その後、市は組合との交渉で妥結し、この6月議会で、教育職給料表での給料表統一の議案上程となりました。

 

 全員の給料が上がる給料表の統一なので組合交渉はすんなり終わったそうです。


 この間、私は議会報告会の議案説明係をしていて、現役の公立の正規の幼稚園教諭からヤジられるという貴重な経験もさせていただきました。市民との意見交換の場の事で驚きましたが。


 とにかく、最終的に同じこども園で働く事になる幼稚園教諭と保育士の給料表が統一される議案が再提出され、今度はどこからも反対が無さそうでよかったです。


 今回の給料表の統一によって、公立の保育士の給与は4.5%アップ(総額476万円増)する事になります。


 一方で、全国の保育士の平均賃金が月額21万円程度と全産業平均月収33.3万円を大きく下回っています。

 公立の保育士は公務員の給料に準じているので、特に民間の保育士さんとは給与面では大きな違いが出ていると思います。


 保育士の確保が全国的な問題になっている中で、保育士の処遇改善も喫緊の課題となっております。


 三木市では公立・民間を問わず、市全体をあげて、こども園等の就学前教育を充実する事を目指しております。また、先日お知らせしたように、希望園に入所できない児童(保育の需要)が急激に増えています。 


 そんな中で、公立の4.5%アップに対応するよう、民間の保育士さんに対して、21万円の4.5%相当の1万5000円の給与アップ(総額4875万円)を実施します。

 

 公立の非正規の保育士さんについても同様に1万5000円の給与アップ(総額950万円)を行い、離職を防ぐという事です。

 

 民間と公立非正規の保育士給与アップはとても良い案だなと思っております。


 他に、保育士養成大学との連携という事で、三木市のこども園に勤務してもらうため市内園での夏休みのアルバイト代を出す事、2年間最大60万円の就学資金貸与(市内園5年勤務で返済免除)などの政策に取り組んでいます。


 また、来年度から0歳の募集停止を行う予定であった志染保育所については、保育士確保でき次第0~1歳を受入も27名分行います


 今回の提出議案の内容は以上のようなものです。


 これらの施策の推進によって、希望園に入れない子どもの数をできる限り減らしていただきたいと思います。

 

 また、今日の市長の答弁で注目すべき発言もありました。


 来年度から予定していた保育料の無償化については、当初は0~5歳の全ての就学前児を無償にするという方針を発表していたが、希望園に未入所の児童(実質的な待機児童)が129人いる中で0~2歳児についても一気に完全無償化するかどうかは再検討し、9月を目途に発表するという事でした。

 その他には三木・三樹幼稚園の廃園時期の見直しにも言及がありました。


 ちなみにどこの園でも良いのに入れないという定義の待機児童は0人です。


 保育士の配置には以下の基準があります。

 0歳児が保育士1人につき子ども3人

 1、2歳児が保育士1人につき子ども6人

 3歳児が保育士1人につき子ども20人。

 4、5歳児が保育士1人につき子ども30人。

 

 年齢別での希望園の未入所児童の内訳は

 0歳児:20人、1歳児:48人、2歳児:44人、3歳児:16人、4歳児:1人、5歳児:0人

 となっており、50%無償化の時点で、0~2歳の実質的な待機児童が急増している現状を考えれば、来年の0~2歳児の100%無償化は現実問題として難しいのではないかと私も思います。

 緊急性が無いのに、100%の無償化になる前の50%の内に預けておこうというような動きも一部だとは思いますが、あるようです。


 まずは3歳以上の100%無償化を着実に実施し、0~2歳児は50%の無償化を当面維持する。この事によって、希望する年齢で子供をこども園に確実に預けられる体制を整え、急速に減少している人口対策としても、保育の無償化を機能させないといけないと考えます。

 

 私は3月議会でも質問したように、必要に応じた幼保一体化計画は必要と常に言っております。

 子供が増えるならお金がかかっても仕方無いとも言っています。


 とにかく、子育て施策が充実した三木で、子供達が健やかに成長できるようにしっかりと体制を整えないといけないと考えております。