久しぶりに経済ネタです。


 このブログも日々多くの方に読んでいただいておりまして、日々チェックいただいている方にはご存知いただいているかと思いますが、私は一貫して消費増税によってアベノミクスが失敗するので反対だと言い続けてきました。


 
 本来アベノミクスは機動的な財政政策」と「異次元の金融緩和」という飛行機の両翼が機能して、1997年の消費増税以降20年間続くデフレを脱却するという政策でした。

 過去20年を見ると、小渕政権では積極的に財政出動したものの日銀が金融引き締めを行い、実感なき好景気と言われた小泉・第一次安倍政権では日銀は金融緩和をしたものの財政は緊縮でありました。

 過去の失敗からデフレ脱却のためには金融財政の一体政策の必要性が叫ばれていたのであり、私にとってはやって当たり前の政策です。


 アベノミクス初年度である2013年には金融緩和と財政政策の拡大によって、各経済指標は好転、日本経済は復活するかに見えました

 しかしながら、翌2014年には早くも景気を冷やす消費増税が実施されてしまいました

 

 たった1年では持続的な経済成長の好循環は作れない中で、国民所得を8兆円奪うと言われる消費増税というマイナスの財政政策(政府が金を使って需要を作る事の真逆の政策)を実施し、増税分を使う事もなく財政は緊縮傾向となってしまいました。


 この間、マイナス金利の導入など金融政策は継続的に実施してきましたが、一方の財政は引き締める形の片翼飛行となっていた訳です。

 

 そんな中で、世界経済の動向も怪しくなってきました。

 まず中国ですが、各地にゴーストタウンを作るほどの過剰投資による経済成長に限界が見られるようになり、日本のバブル期の3倍以上と見られる負債が、いつ爆発するかわからないというリスクを抱えています。


 そういう状況の中で、世界の工場と言われた中国が投資を控えるようになると、その原材料やエネルギーの需要が減少します。

 世界的な景気低迷による原油等の資源価格の下落による資源産出国の経済不安も顕在化してきました。


 更にはアメリカの利上げによる新興国からの資金の引き上げなど、現状はいつ新たなリーマンショック級の世界恐慌が来てもおかしくない状況であります。


 世界経済が不安定化すると、決まって日本円が買われ、円高になります株式市場は円高と株安が連動しており、株価が下がります

 (日本の株式の売買の7割は外国資本のため、円安ドル高の場合、日本株は外国人投資家にとってお買い得になり買われるが、円高の場合はその逆になり、株を売却する)


 一時1ドル125円まで進んだ円安は現在110円を伺うまでになってしまっている。これが日本を取り巻く世界経済の現状であります。


 安倍政権の経済政策への私の評価としては、日本経済は雇用面は改善したものの、デフレ脱却にはほど遠く、その原因は増税による需要縮小で経済成長の最も大きな要素である内需を冷やしてしまった事だと考えます。


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 前置きが大変長くなってしまいましたが、ここからが本題です。


 最近になって、日本経済のキーパーソンである安倍首相と黒田日銀総裁がそろって「消費増税の影響は想像以上だった」という見解を示しています。

 記憶に新しい一昨年の10%再増税の延期を争点にした衆議院解散総選挙が再びあるのではないかという憶測が広がっています。

 当然、私は解散総選挙に賛成であります。

 

 先日、私もよく参考にしておりますノーベル経賞済学者のステイグリッツ教授が、世界的な有識者を招いて初めて開催された「国際金融経済分析会合」において、「総需要を喚起するものではないとの観点から消費税の引き上げは今のタイミングではない」と指摘しました。 


 同会議にはこれまた私がよく参考にしているノーベル賞経済学者クルーグマン教授も呼ばれており、同様の趣旨の提言をしてくれると思います。

 

 政府与党は消費増税延期に対する布石を打っているように私には見えます。


 一方で最大野党の民主党(民進党?)はというと、馬淵議員が「消費税5%に戻すべき」というブログでの発信がありました。

 しかしながら、党首の岡田氏はスティグリッツ教授との対談で、「日本は過大な債務が企業の投資や個人の消費の妨げになっている」として財政健全化を急ぐべきだと主張し、スティグリッツ教授に「今、消費税を上げたら経済は弱体化し、状況はさらに悪くなる」と反論されています

 

 関係無い話ですが、民進党はDemocratic Innovation Party(DIP)という党の英語表記を公表したようですが、略称DIPは英語のスラングで「間抜け」を意味するそうでインターネットで話題になっているそうです。


 とにかく、私は消費増税の延期には賛成します。