明日は議員総会があります。新聞報道の件はまた後日にしたいと思います。


本日は18日~20日まで関東・東海方面に三木新党と公明党の合同での会派視察研修に行ってまいりましたのでご報告します。

天候が心配され、前日時点で電車が運休という視察先もあったのですが、運良く公共交通期間に影響が出ず、予定通りに視察する事ができました。

内容的には非常に盛りだくさんで勉強になりました。


18日 ①福祉コンシェルジュ(名古屋市北区)
19日 ②昭和の森フォレストビレッジ(千葉市緑区)
     ③芸術家などの「人」の誘致(藤野町 現相模原市緑区)
20日 ④内閣府地方創生担当室(地方創生)
     ⑤和光版ネウボラ(埼玉県和光市)


①福祉コンシェルジュについては事前のイメージでは総合案内のように一か所に留まっている形だと思っていましたが、市民の方が福祉課のフロア近くに来たときに、コンシェルジュが歩み寄り声掛けして対応していました。
内容としては来庁の目的を聞き担当部署を案内する事や、事前に書類の記載などをしてもらう事だけではなく、相談を受けてそれをシートにまとめて担当課に行った時にすぐに業務に入れるようなつなぎをしているという事です。名古屋市北区の福祉課の担当は介護、障害福祉、高齢福祉という事ですが、コンシェルジュは相談に答えられるよう、障害福祉か介護福祉の資格を持ち、2週間に一度のフォローアップ研修を受け、業務知識を得た人が仕事されていました。
コンシェルジュをどう思うかという市民アンケートでは99%が良かったと答えていました。
三木も近々福祉コンシェルジュをやるそうですが、名古屋市のようなフォローをして、適格な案内を行い、相談にも乗れるような人材育成を行って欲しいと思います。


②昭和の森フォレストビレッジについては、既に12月議会の稼ぐインフラの質問でも触れたのですが、時代が変わり利用が少なくなった市立ユースホステルを公募で民営した先進的な事例です。
 公共施設は行政の直営から指定管理による公設民営へ移行して来たのですが、指定管理というのは公設民営ではあるんですが、行政がお金を払って民間に外注するだけというのが普通でした。有名な武雄図書館も結局はこれです。

 ここも少し前まではそうで年間4000万円の指定管理料を市が払っていたのです。
時代に合わないユースホステルはこのままいけば廃止するしかない、廃止するくらいなら、市は費用負担をしない事を条件に民間事業者に活用してもらうよう公募するという方針を打ち出し、R.projectという企業がそれに名乗りを挙げました。

それによって、4000万円払うどころか、管理許可料として逆に市が250万円もらう事となり、維持管理経費も全て事業者持ちとなりました。
つまり、市の財政には4250万円のプラスの公共施設となった訳です。
事業者が代わり、元ユースホステルのホテル部分は値段を倍にした事で利用者が減りましたが、今までに無かったオートキャンプ場を設置した事で、その部分が関東圏のキャンプ需要を惹きつけ非常に伸びております

 今までのやり方では潰れるしかなかった公共施設が復活して財政的にもプラスになる「稼ぐインフラ」を是非三木でもやっていきたいと改めて思いました。


③旧藤野町の芸術家等「人」の誘致について(詳しくはこちら)は、現在も公開中の映画「FOUJITA」で有名な藤田嗣治等著名な画家達が戦時中疎開したという背景があり、付近の水源地で開発ができない中で、芸術家を呼んでまちおこしをしようと「人」の誘致に取組みました。
 当時は将来の生活保護者を増やすつもりかなどと反対もあったそうですが、当時の町長はやる気のある職員に細かな口出しをせず責任は取るという方だったという事で自由にやらせてもらったという事でした。
 その元職員で有名な中村賢一さんにもお会いしてきました。近年になって芸術家など人の誘致が広がり、300人の移住者を生んだと言う事です。
更に「芸術としての教育」を目指すシュタイナー学園を誘致し、そこの生徒の親が医師も多く地元の開業につながるなど、学校の誘致も効果を挙げているとの事でした。


④内閣府の地方創生推進室は三木市から出向している職員からレクチャーを受けました。地方創生推進室は150名で半分が地方からの出向者という事です。
 地方創生についてわからない事、今後の国の方針について非常に良くわかりました。
特に、地方創生の交付金については、今年度中にできる各市町村の地方創生総合戦略で定められたKPI(目標値)で増減されるという事がわかりました。

 KPIはアウトプットよりもアウトカムを重視するというものです。
アウトプットは今までの考え方である事業の市民理解を得るために「5回」説明会を開催するという方法。
アウトカムは「1000人」が参加し理解を得るために説明会を開催するという方法です。

 地方創生の新型交付金に1080億、地方交付税で1兆円が追加される事になりますが、KPIの達成状況に応じて市町村で増減があるという事です。
地方創生の計画は三木市は大きな目標を掲げていますが、しっかり実現しなければならないと思います。


和光版ネウボラについては、安倍総理も視察した内容で、多くの議会視察との合同視察となりましたが、有名な東内保健福祉部長の説明を受ける事ができました。これがスーパー公務員というものかやっぱりすごいなという感想を得ました。
 和光市は地域ケア会議を全国で初めて行った、地域包括ケアの先進地です。和光市はケアプランは市が判断しており、個人の実情に合わせた細やかな配慮を行い、介護予防ケアマネジメントでは6割が症状が改善するといった実績を残しています。「うちでは介護離職なんてありえない」という言葉もありました。介護離職してしまうとジリ貧になる、そういう事情まできちんと把握しているという事です。


前置きが長くなりましたが、視察内容は介護についてではありません。
和光版ネウボラは介護で培ったノウハウを子育て支援に応用するという事業です。
産後だけでなく、産前から徹底して子育てに問題が無いかチームで「評価し、議論し、課題解決する」というプロセスで取り組みます


例えば、赤ちゃん手帳を機械的に渡すだけではダメだという事です。そこで、経済状況は問題ないのか、母体はどうなのかという事について話を聞きます。

この時点で父親がいないとか、経済状況に問題がある、高齢出産とかを把握し、問題がある場合に支援していくという制度です。


例として、子どもを産んですぐに刑務所に入らないといけない人の話が出ました。これを聞いた市はすぐに刑務所に入らないようにするため基金を募って弁護士を雇い、家族からの支援が無い中、唯一仲の良かった祖母の支援を取り付け刑務所に入るのを回避したという事です。行政がここまでしたという事に私は非常に驚きました。必要ある事業なら不要な事業をスクラップしてでも新たに作り出すという事でした。

虐待死の問題があります。警察も児童相談所も問題は知っていたのに帰してしまい子供が亡くなってしまう。それは親に直接指導していないからだ、うちでは警察ともチームを組んで対応していくという言葉もありました。


経済状況に問題がある場合は就労相談も行います。
例えば、夜の仕事から昼間の仕事に変われないのかというように、ワークライフバランスについても指導していくという事です。


制度的には介護のケアプランを作るケアマネと同様に、子育てについてもケアマネ(医療保険系と福祉系の2種類)がケアプランを作成します。

ケアマネ1人が抱える案件は30件が限界という事で担当するプランの上限を決めています。

個別支援としては、介護と同様、利用者が一部負担で受けられるショートステイ、デイケア、訪問型産後ケアなどがあります。子育てのケアサービスは介護とは違って保険料などは無い訳ですが、今後和光方式が制度化されたときの為に料金表を作って運営しています。


将来的には各地にある地域包括支援センターの全てで、介護だけではなく、子育て支援のセンター、障がい者の支援センター、生活困窮者に対する支援センターを設置するという事を考えています。

非常に先進的な取組だなと感じました。


今回の視察は全体を通して課題を解決するには何をしなければならないのか、市民目線で本質を解決していかないといけないという事を学びました。

非常に有意義な視察であり、しっかりと市政に反映してまいりたいと思います。