今年の5月、大阪市中央区のアメリカ村で飲酒運転の車にはねられ、3人が死傷した事件で、遺族の皆さんが17日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの罪に問われた美容師、白坂愛里被告(25)=公判中=について、危険運転致死傷罪への訴因変更を求める上申書を大阪地裁と大阪地検に提出しまし

 その際に、遺族らが集めた7万5千人分の署名も添えた。というニュースがありました。(こちらをご覧ください


 この事件では看護師の河本恵果さんが24歳という若さで亡くなり、友人の林優花さん(24)ら2人に重軽傷を負わせたという、本当に許しがたい事件です。

 

 メディアでも大きく報道されましたのでご存知の方も多いと思います。


 飲酒運転という身勝手な振る舞いの末に、人を死なせるという取り返しのつかない事件を引き起こしてしまった犯人は当然、危険運転で訴追されるものと私は思っていました


 現に、警察は「危険運転」で送検したのですが、検察は「呼気のアルコール濃度が0.2ミリグラムでは正常な運転でなかったとは言えない」と、自動車運転過失致死傷罪で大阪地裁の公判に臨んだのです。

   

 被告の当日の状況は、駐車場の段差に乗り上げたり、最終的には一方通行を逆走して犯行に至ったと関係者から聞いています。これのどこが正常な運転なのでしょうか

 

 被告は「ブレーキとアクセルを踏み間違った」と言っているそうですが、そんな言い訳が通じるのかと思います。

 同時に、検察は何を考えているんだと思いました。世間の常識が通じないのかと。

 関係者を通じて、検察は被害者遺族に対して、極めて冷淡に対処したと聞きましたが、「検察は犯罪被害者の味方じゃないのか」と愕然としました。


 前回、大阪地検の事件の第二回の公判は延期になりました。

 

 関係者の情報では、これは「危険運転致死傷」への訴因変更の可能性が出てきたからだという事です。


 そうなれば、ひとまずは良かったと思います。


 流石に、世論が大きく盛り上がり、署名が7万5千人分も集まっては、検察も無視できなくなったのでしょう。


 しかし、逆に考えれば、多くの署名が集まり、世論が盛り上がらなければ、危険運転にはならないかもしれないという事です。


 加西市の飲酒運転の死傷事件でも、多くの署名が集まったことで、途中で「危険運転」に切り替わりましたが、求刑通り14年の懲役刑となりました。

 加西の例を考えると、負けるから危険運転で訴えないのとは違うと思います。

 

 検察は裁判の結果が出世に響く、量刑が求刑を下回っても、なぜか上回ってもいけないと言われています。自己の保身のために、誤差の出にくい求刑をしているのではないかと私は推測します。


 関係者の方から「被害者が動かないと罪は軽いままなのか」というお話を聞きましたが、これが飲酒運転の死亡事件裁判の現実なのです。果たしてこのままで良いのでしょうか?

 

 私もこのままで良いはずがないと思います。


 明日、私がいつもお世話になっているラジオ関西の「時間です!古田編集長」(金曜16時半~)では、アメリカ村の事件を特集で取り上げ、亡くなった河本さんのお母さん友紀さんと、重傷を負った林優花さんのインタビューもあるそうです。


 古田さんには、被害者が動かないと罪が軽くなるという点、検察は誰のためにあるのかという点も伝えて欲しいとお願いしました。


 お時間のある方は明日の放送を是非視聴のほどよろしくお願いします。

 私もきちんと聞きたいと思います。