先週の行政視察の報告について、前回は北九州市のリノベーションまちづくり事業の取組についてお知らせしました。


今回はその他の3市町についてご報告します。


1.熊本県山鹿市「認知症対策の取組」


 介護保険分野は非常に事業のすそ野が広いので、山鹿市の認知症対策で特徴的な部分をお知らせします。

 山鹿市は平成19年度からの認知症対策を本格的に進めていますが、その中でも、認知症を支援する人材育成が非常に上手くいっているという印象を持ちました。

 1年間毎月1回の「認知症地域サポートリーダー養成講座を開始し、これまでに7期542人が講座を修了されています。

 そして、卒業生のうち約1割が地域で常に活動されている方だという事です。

 サポートリーダーは地域の集会所や地域密着型サービス拠点などでサロンを開設したり、お年寄りの徘徊に対する見守りマップ作成など、地域で自立的に活動されています。

 2カ月に1回、サポートリーダーが集まる会議を開催い、活動の紹介等を通じて、フォローもされています。


 介護保険の法改正によって、これから3年以内に「要支援」の方の介護予防の「ホームヘルプサービス」と「デイサービス」が全国一律のサービスである介護保険の事業から外され、市の事業に移管されます。

 介護を支えるボランティアの人材育成が必要となってくる中で、山鹿市さんの取組を是非参考にさせていただきたいと感じました。


2.福岡県岡垣町「公共交通の再編」

 岡垣町のバス交通は三木市と同じように、「路線バス」と「コミュニティバス」の均一料金化を実施されています。

 岡垣町は昔は「路線バス」と無料で週2回の「福祉バス」がありましたが、路線バスが一部撤退した事を受け、それをカバーする「コミュニティバス」が運行開始(1乗車100円)されました。

 (福祉バス⇒コミバスへ)

 その後、路線バスを150円上限にする事となり、更に、100円であったコミバスの上限を150円に値上げする事で2つのバスの均一料金化が実現したという事です。


 路線バスの上限を150円にする(これまでの運賃は160~320円)事で、これまでの運賃との差額は赤字補てんをする事となっています。これは三木市と同じです。

 尚、三木市は赤字補てん分よりも、直通バス・路線バス・コミバスの重複路線の削減により2300万円現状よりも予算を削減する方針です。

 しかし、岡垣町の路線バスは赤字補てんをしていると言っても、今後も路線の廃止が予定されているそうです。

 元々の値段設定で赤字があるため、その部分の赤字補てんをしても儲けが出ないためです。


 また、三木市の場合、路線バスは市をまたぐため、それを判別するために、ニコパカードを利用せざるをえませんが、岡垣町の路線バスは町内で完結するため、そのような仕組みはいらないという事でした。


 現状、三木市内では路線バスの大規模な撤退はありませんが、今後の人口減少で路線バスの乗客数がどうなるのかという事にもしっかりと考えていかなくてはいけないと感じました。


3.福岡県飯塚市「中心市街地活性化の取組」

 飯塚市は中心市街地の大規模な再開発を多く実施されております。机上の研修だけでなく、実際の現地視察に時間を割いていただき、勉強になりました。

 まずは、「飯塚市中心市街地活性化基本計画」の内閣総理大臣認可を受けて、

 空きテナントとなったビルに対して、交通施設、医療施設、マンションが一体型ビルの整備等を行う他、三木市が緑が丘でこれから進めようとしている「土地区画整理事業」も進められています。

 区画整理後はマンション、子育て施設、道路・歩道の拡幅、飲食ゾーンを中心とした商業施設を誘致するなどの事業が予定されています。 


 これらの補助金は国交省の「社会資本整備補助金」が活用され、負担割合は民1/3、国1/3、県1/6、市1/6の所、計画認可を受けて、民1/5に負担が軽減されています。


 また、よく商店街のアーケード改修を経産省の補助金で行います(三木市でも最近ありました)が、飯塚市では、アーケードの撤去に日本で初めてその補助金を使ったという事です。


 アーケードは雨が防げるという利点がありますが、その分改修費用など後々の負担が大きいです。アーケードの撤去という事も今後考えるべき課題ではないかと思います。


 飯塚市の中心市街地活性化の取組は、人口減少の中でも生き残るまちを作る上では、知っておかないといけない事が多いと感じました。


 以上、3市町の視察も大変勉強になりました。