自称「イスラム国」ISILの卑劣極まり無いテロ行為により、日本人2人が殺害されてしまいました。
政府にはこのような卑怯な犯罪行為に新たに日本人が巻き込まれないように、努力してほしいと思います。
さて、一部で「安倍首相が中東を歴訪してISILと敵対したからテロが起きたのだ」と政府を批判するむきがあるようです。
ひどいものになると、「安倍首相がイスラム国と戦うと言ったからだ」という主張があります。
それは本当なのでしょうか。
先月17日に、安倍首相がエジプト・カイロで話したのは以下の内容です。
「ISILと戦う周辺各国に総額2億ドル程度支援をお約束いたします」
”I will pledge assistance of a total of about 200 million U.S. dollars for those countries contending with ISIL”
「イスラム国と戦う」と「イスラム国と戦う周辺各国を支援する」には全く意味が異なると思います。
ちなみに、「戦う」と訳された英語の「contend」 は「battle」よりもかなり穏健な表現で、主張する、競う、争うという意味になります。
また、自称イスラム国が20日の犯行声明にも引用した英BBCの報道は以下のとおりです。
「安倍首相は「イスラム国」への戦いに対する非軍事分野での支援を約束した」
つまり、自称イスラム国は安倍首相は非軍事分野での支援を約束したとわかっておきながら、非軍事分野の支援でも我々の敵対行為であるとしてテロを行ったという事です。
我々の理屈が通じる相手ではないのではないでしょうか。
ISILにより住む場所を追われた難民への支援などを行う非軍事支援を、ISILに理解不可能の言いがかりをつけられたからと言ってやめる事が良いことなのでしょうか。
それはテロ組織を利するだけなのではないでしょうか。
もっと言えば、テロリストの脅しに屈して難民への支援を打ち切る事について、今回、テロの被害で亡くなった、戦時の子ども達を取材してきた後藤さんはどう思うのでしょうか。
いろいろと考えさせられる問題だと思います。