引き続き、幼保一体化計画の素案の決定についてお知らせします。

こちらからご覧いただいた方は、前回の記事その1 と続きの記事その3 もできる限り必ずご覧ください。



1.三木市の現状について

 少子化が進行し、0歳~5歳児人口は平成2年の4,905人から、平成25年には3,443人3割減少している。

 そんな中、女性の働き方など社会的なニーズの変化により、就園先が変化しており、平成2年には幼稚園が1,181人、保育所が823人であったものが、平成8年には幼稚園の保育所児童数が逆転し、平成25年には幼稚園が547人、保育所が1,574人と保育所が幼稚園の約3倍にもなっています。

 つまり、人口が減少する中で、幼稚園児は減り続けているのに対し、保育園児は増加しつづけているという事です。

 社会全体のニーズを見ると、短時間の教育だけ行う幼稚園から、長時間の保育も行う保育所へ大きくシフトしている事がわかります。

 保育ニーズの高まりによって、全体(0~5歳)の就園率は65%と平成2年に比べ1,5倍となっています。

 計画では、今後10年間で、0歳~5歳児人口は25%減少し、就園率は80%と15%増加する事としています。



2.就学前教育・保育の理念

①質の高い就学前教育・保育を保障

②必要とする全てのこどもに教育・保育を提供

③多様な教育・保育ニーズへの配慮

④小学校就学へのスムーズな連携

⑤在宅児童や保護者を支援する子育て支援拠点

 

 これら5点の理念を実現するため、一部公立を維持しつつ、民間主導型の幼保連携型認定こども園へ移行するという事です。

具体的には記事その1 でご確認ください。

 認定こども園とは幼稚園(3歳~5歳の子供の教育)と保育所(0歳~5歳の子供と教育と保育)を合わせた施設です。利用については以下のようになっております


         幼保連携型認定こども園
年齢 保護者の就労 預かり時間
0~2歳 なし 利用できない
あり 長時間
3~5歳 なし 短時間
あり 長時間


 つまり、長時間(保育)の利用はこれまでの保育所と同じで、保護者の就労等条件がありますが、短時間(教育)の利用は現状、幼稚園では2年保育しかできていないものが、3歳から希望する人は誰でも利用できるようになります。



3.具体的な手法

(1)民間主導型の導入

 上述した保育ニーズの高まりによって、平成25年度には、民間は公立の1.7倍の受け入れとなっている。

 また、平成22年度より、市は民間保育所の定員を充実しており、平成14年の1120人に対して、平成26年には1,450人の体制となっている。

 就学前教育に関する国の目標は、「生きる力の基礎を培う」「豊かな心情、意欲、態度を育てる」と幼稚園と保育所で全く変わりは無い。


(2)園区制の導入

 従来は幼稚園、保育所に園区はありませんでしたが、①教育・保育の質を充実するための集団規模の確保、②小学校へのスムーズな進級のための連携、③待機児童の発生を防ぐため、市内3園区の園区制を導入します。

 ただし、居住地の園区だけではなく、保護者の通勤途上などの事情によって、別途柔軟に対応する事としています。

 つまり、原則は市内3園区で居住地の園区内の認定こども園に通わなければならないが、例外も認めるという事で、小中学校の校区のようにまでは厳格にしないという事です。


園区割

園区割

園区に属するこども園(※民間については現状の名前で記載します)

園区所属園

上記以外の現状の幼稚園・保育所は約10年をかけて廃園となります。詳細は記事その1 をご覧ください。


 園区設定の考え方については、集団の確保、待機児童への配慮以外にも、中学校区を考慮して設定します。

 例えば、別所地区(別所中学校区)と吉川地区(吉川中学校区)には、民間の保育所が無いため、公立の認定こどもを作る(公立こども園は民間の補完的な機能)という事です。



4.認定こども園移行にあたっての施策

(1)移行中のフォロー

 ①10年をかけて暫定的に存続する園の耐震工事の実施

  2015年度末で廃園する3園(平田、緑が丘、自由ヶ丘東幼稚園)以外には、廃園する幼稚 園・保育所についても耐震工事を行います。

 ②廃園する際、段階的な募集停止により在園児童の集団の確保

  これについては記事その1 をご覧ください。 
 ③認定こども園のスクールバス

  公立認定こども園は運行、民間園は今後園と協議する。

 ④2015年度末で廃園する3園(平田、緑が丘、自由ヶ丘東幼稚園)について

  ・園区内の幼稚園、こども園への優先受入れ(4歳児で入園した児童について)

  ・その際、移転先の幼稚園へは1年間のみ通園バスを運行する。


(2)質の確保と充実

 ①発達段階に応じた三木市独自の教育・保育カリキュラムの策定

  ・幼稚園・保育所・公立・民間を問わない三木市独自の統一の要領・カリキュラムを策定する。

 ②保育教諭の質の向上

  2014年度、15年度に「保育者合同・交流研修会」を実施して、幼稚園教諭と保育士の資質 向上を図る。交流研修とはそれぞれ所属とは違う施設(幼稚園教諭が保育所で研修)で研修する事。

  また、民間も含めて各認定こども園へ教育委員会の指導主事を派遣し、現場と市・教委

  (現状で指導主事の派遣は公立幼稚園のみ実施)

 ③園児と小学校児童との交流によるスムーズな小学校への入学

 現在の民間保育所も含めた各認定こども園と小学校との交流については、現状の行事を通した交流だけで なく、生活科の学習などにおいても交流を実施する。

 ④全ての園での障がいのある児童の受け入れ

  現状のとおり実施する。