タイトルのとおり、非常に馬鹿らしいニュースをお伝えします。
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会は28日、国と地方を合わせた財政の長期試算を公表した。
財政再建に取り組まず、税収などで政策経費をどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支の黒字化も達成できなかった場合、2060(平成72)年度の国の借金は国内総生産(GDP)比約5・6倍の約1京1400兆円に膨らむとの試算を示した。
実質経済成長率が2%で、60年度のGDPが約2053兆円の想定。
財務省の諮問機関がこの程度の水準なのかと驚きあきれます。
どう考えても46年後なんて先の事は誰も真剣に考えないよっていうのが前提の話です。
つい最近も「消費税30%は必要」という報道も出ましたが、財務省は消費税10%に向けて、いろいろと馬鹿らしいカードを切ってきているという印象を受けますが、今回のは極め付けです。
結論から言えば、物を売るときに、まずは高めの値段でふっかけて、その後で、妥当な(買い手が思ってしまう)値段に引き下げて売る商法と同じだと思います。国民は騙されてはいけないと思います。
では、具体的に内容を見ていきます。
46年後のGDPはなんと2053兆円、現在の4倍という素晴らしい経済成長を遂げる事になるという素晴らしい試算であります。
ちなみに、日本経済の過去20年間、主にデフレのせいで、名目GDPはずっと500兆円と横ばいでした。
人口減少時代の日本でGDPが4倍に成長するというのは、少し荒唐無稽な話ではないでしょうか。
そうなっては欲しいと思いますが。
次に、GDPが2053兆円に経済成長するという事は税収も増えるという当然の話をしたいと思います。現在の税収は47兆円です。
政府の税収は「税収=名目GDP x 税率 x 税収弾性率」で求められます。税収弾性率とは、名目GDPが1%増えた際に、税収が何%増えるかをあらわす指標です。
現在の日本の税収弾性率は3を超えると言われております。
名目GDPが1%増えると税収は3%超増えるという計算になります。
現在GDP500兆に対して税収50兆とすると税率は10%ですので、税率を一定とすると、2000兆円×0.1×1.03で2060年度の税収は206兆円となります。
支出面を見ると、現在の歳出は100兆円規模です。人口減少(※2060年の日本の人口推計は8674万人と現在から3分の1減少。高齢者人口は現在3300万、60年は3400万人)をしたら普通歳出が減ると思いますが、仮に歳出を一定としても、単年度で差し引き106兆円の財政黒字となります。
普通にしてたら、借金は増えるどころか、無くなってしまうのではないでしょうか?
現在1000兆円の借金を10倍の1京円に増やすにはどれだけ無駄遣いをしなければならないのでしょうか?
この辺りは非常に無理があると思います。
それにしても、こんな突っ込みどころ満載のものに突っ込まず「借金1兆円」と見出しをつけ報道するマスコミは何を考えているのでしょうか?
これじゃ財務省の操り人形と言っても何ら過言ではありません。
国民の知る権利に奉仕すると言って高給を得てるなら、最低限の働きぐらいはしてもらいたいものです。
こんな事ならマスコミはどんどんインターネットに勢力を奪われると思います。