本日、安倍総理が来年4月からの消費税率の5%⇒8%への引き上げを決定しました。

 個人的には非常に残念です。せっかくここまで大胆な金融緩和と積極的な財政出動で景気回復、ひいては15年間続くデフレ脱却が見えてきたアベノミクスですが、今回の消費増税で全てが頓挫する可能性があります。


 今後の補正予算などの経済対策の規模で変わってくるとと思いますが、景気に悪影響があるという事はたとえ増税賛成派であっても認めざるを得ない、誰もが認めるものです。そして増税は明らかにデフレ促進策です。
アベノミクスでデフレ脱却が見えてきたとは言え、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは未だにマイナスで未だにデフレ脱却とは到底言えない状況です。
来年4月までは駆け込み需要で景気は拡大すると思いますが、4月以降の反動減は駆け込み需要の何倍にもなる事でしょう。


 皆が買い控えれば、企業の収益は落ち、国民の所得は減ります。消費増税のせいで、消費税増収額を法人税、所得税の減少額が上回れば、税収が減少し、本末転倒になる危険性があります。

 昨年末の安倍政権発足後、アベノミクスの影響で政府の税収は現に24年度に1.3兆円増え、今年は4~5兆円の増収が見込まれています。
このまま経済成長による自然増収を実現していけば、財政再建、社会保障の維持は十分にできたはずです。

 増税は1、2年様子を見てからという事が何故できなかったのか。

社会保障費が毎年1兆円増えたとしても、十分に賄えます。


 元財務官僚の高橋洋一氏によると、増税では財政再建できないということです。
なぜならば、財務省が重視するのは予算策定時の試算で、税率を上げれば、試算上の税収が増える。
あくまで試算の上の税収を各省庁に配分(歳出権というらしいです)する事で、他の省庁を操り、政治家を操って財務省の影響力を強める。。
実際に税収が増えなくても関係が無い。税収が予算段階から減れば、赤字国債を発行するだけです。これでは財政再建はできません。


 現に、先月行われた来年度予算の概算要求は「消費税増税が決まっていないから」という理由で、シーリングのキャップをはめないという前代未聞の事態になりました。
シーリングは去年並みにして、後で補正すればええ話です。滅茶苦茶です。
 族議員達はそれを嬉しそうに「青天井だ」と喜んでいる。こんな事で財政再建がどうやってできるのか。

 97年の増税の時は財務省は「増税分は全て使うから影響は無い」と言ってきたそうです。

 現に全部使いましたが、その後、増税したにも関わらず税収が減るという事態になってしまいました。

 今回はどうなるんでしょうか。橋本政権の二の舞になるのでしょうか。

 余談ですが、昨年度の10兆円の補正予算のうち7兆円は民主党政権では出さなかった埋蔵金らしいです。そういう手練手管を使って政治家を篭絡するわけです。


 一方で、経済成長の結果の自然増収は予算策定時に試算ができない。ですので、試算上の予算を配分できず、財務省の影響力は拡大できないわけです。しかしながら、結果としては5兆円税収は増える
 つまり、5兆円の財政再建になるわけです。デフレ脱却のためというならそれを補正で使えばよい。 増税と自然増収のどちらが良いのかは自明の理です。
 
 これまで財政再建という観点から見てきましたが、そもそも日本政府の財政問題はメディアが煽るほどのものではありません。現に異次元緩和で日銀が買いオペで国債を大量に買取り、日銀以外が保有する(=返済しなければいけない)国債残高は24兆円も減ってきています。(12年9月が731.3兆円、13年6月が707.2兆円)

 国際的な信任とか言いますが、税率を現状維持しただけで何故、国債が暴落するのか私には理解できません。それなら現に破綻していなければおかしいはずです。
 
 とは言え、決まってしまった以上、いかに経済へのダメージを小さくするかを考えなければいけません。景気が悪化して、皆が買い控えてしまうと経済が縮小します。民間がカネを使わなければ政府が支出・投資を増やさなければいけません。 
 市レベルでは、景気対策として補正予算が組まれる事で国の補助で公共投資がやりやすくなるという点があり、これまでやりたくてもできなかった事業が実施できる可能性があります。他には、地方消費税は1%から1.7%に拡充するなどが数少ない利点かと思います。
 とはいえ、景気悪化・デフレ促進で全体の税収が落ち込む事は想像に難くないことです。

 三木市でも増税の悪影響を出さないように考えていかなくてはいけないと思います。
 
 税収が増えるのか、景気はどうなるのかなど増税の影響は今後もチェックしていきたいと思います。

 もし増税によって税収が減るという事態になれば、責任を取らないメディアは手のひらを返して安倍政権を叩くという事を予言しておきます。