私自身はまだまだ円安だとは思っていませんが、アベノミクスの結果として起きた円安の批判の中で、最たるものがエネルギーの高騰です。

 現在、日本は東日本大震災以降、ほとんどの原発を再稼動できず、その部分は火力発電で賄っている状況です。その結果、日本総研の試算 では、2012年度の燃料費は2010年度と比較して4兆円の増加となりました。

原発停止後、全体の9割の発電を担う火力発電の中で、今、一番大きなウェイトを占めるのがLNG(天然ガス)です。(発電全体に占める割合は石油:19.1%、石炭:25.5%、LNG:45.1%)


 アメリカで起きたシェールガス革命で、アメリカは世界一の天然ガス輸入国から、世界一の天然ガスの輸出国になろうとしていると言われております。

 シェールガス革命によって、アメリカのLNG価格は2008年に10ドル/100万BTUに達していたものが、大幅に下落し、現在では3ドル/100万BTUにまでなりました。(最近4ドル周辺に上昇傾向ですが)

 それに対して、日本が輸入しているLNGの価格は現在15.42ドル/100万BTU2012年11月時点。イギリスは10.46ドル)と非常に高くなっており、「ジャパンプレミアム」と言われております。


 そんな中で表題の件 ですが、現在、日本政府の度重なる要請もあり、アメリカ側は「日本の緊急性は理解している」と語り、輸出解禁の検討を進めてきたようです。

 そんな中で、輸出解禁の大きな決定権限を持つ米エネルギー長官の人事が米議会で承認され、シェールガス輸出解禁が近づいたというニュースが本日出ました。


 私は以前の記事 で書いたとおり、円安の影響は限定的ですが、原材料の高騰には対策を打つべきだと考えています。

 今回のニュースは「基本的には」エネルギー高に悩まされている日本にとって非常に良いニュースだと思います。

 基本的にはというのは、実はシェールガスは日本のTPP参加のバーターという見方もあって、TPPと交換条件だったら嫌だなと思っているからです。


 最近、大手ガス会社の社員とお話する機会がありまして、その人が言うには「シェールガスは2017年に輸入解禁になる」という話でした。その時はあと4年もかかるのか~と思ってましたが、今回のニュースで輸入解禁がもうちょっと早くなる可能性があるんじゃないかと思っております。

 

 ただし、私は輸入エネルギーも重要と思いますが、やはり、国産エネルギーが非常に重要と思っております。やはり、青山繁春さんの言う、メタンハイドレートや天然ガスなど、他国に依存しないエネルギー開発も重要だと思います。

 そしてこれは民間では中々できないので、政府主導でやるべきだと考えます。