先日、私も記事にしました 三木市の犯罪被害者支援の「1人1円負担」は神戸新聞の1面コラム「正平調」 でもとりあげていただきました。


「1人1円、というのがいい。」という文章から始まる素晴らしい記事を書いていただき、実現に動いた私も被害者支援センターの皆様も大変喜んでいるところです。三木市と同じタイミングで隣の神戸市でも犯罪被害者支援条例が成立した事もお聞きしまして、被害者支援の動きが広がりつつあるのを感じております。


 今日は、大変遅くなりましたが、3月議会の動向について記事にしたいと思います。


 3月27日の本会議で、議案37件が全て可決されました。議案のうち、予算を除いた主な物は以下のとおりです。

・子どものいじめ防止に関する条例(いじめ防止のため、市・市民・学校・事業者の責務を明記
重大事案における市の調査権、諮問機関の設置など)
・中小企業振興条例(中小企業振興のための方針を設定 具体策は5年間のアクションプランを基に実行)
・犯罪被害者等の支援に関する条例(犯罪被害者支援のための市の方針を規定)
・一般職の職員の給与に関する条例(市職員の給与6~8%カット)
・議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(議員の給与10%カット)
・議会基本条例
(議会の役割 市・市民との関係性 当局の反問権を認める)


 25年度は三木市の財政危機宣言の最終年度です。財政危機宣言を解除できるよう、議会としても25年度も継続して報酬削減等で協力していきます。



 一般会計予算については国の政権交代による、いわゆる「アベノミクス」の財政政策に基づく過去最大の補正予算と、新たな子育て世代支援策を含めた25年度当初予算が議決されました。

 3月補正予算については教育委員会関連では、全ての市立学校(小・中・特別支援学校、幼稚園)に対するエアコン設置、小中学校の老朽化したトイレの改修、体育館の大規模改修があります。
その他、まちづくり部関係では幹線道路、街路の舗装、橋梁の長寿命化のための調査。
産業環境部関係では、農道舗装、ため池修繕等が主な物でした。


 23億円の補正予算の内、16億円が国からの補助という事で、これまでできなかった事業や、数ヵ年でやる予定だったものを前倒ししていく事になります。
 国の補助で効率的な事業ができる事は良い事ですが、小泉政権以降、公共工事が減り続けていた中で、建設従事者の数は減っており、また、市役所でも設計等の技術系の職員が減ってきております。
 そういう中で、全国的に公共事業が一時期に増える事になります。

 私が委員会でこれらの懸念について質問した所、3月補正の部分については25年度中にやりきらなければいけませんので、当初予算分は翌年度に回すなど県と調整するなど、計画的に事業を進めるということでありました。


 25年度当初予算については、まちづくりの3つの軸として「中小企業振興・雇用の創出」「子育て支援・教育の充実」「高齢者対策の充実」が示されております。


 1つ目の「中小企業振興・雇用の確保」については、この度、中小企業振興条例を制定し、それに基づく、住宅リフォーム助成制度、事業者への相談体制の充実が予算化されております。

 私は、今回の中小企業振興条例は、これまでのヤクルト、コストコなどの大企業の誘致がある程度成功した事を踏まえ、今度は中小企業の振興により力を入れるという事だと認識しています。

 共産党さんは委員会や本会議の予算の反対討論で、予算中の企業誘致の補助金が1億円以上増えた事を指摘されますが、それはヤクルトが本格営業を始めたから増えたものです。
しかも、その大半は固定資産税等の相当額助成だと思います。(水道助成、雇用助成の上限はそれぞれ2千万円)


 固定資産税等の助成については、そもそも企業誘致が無ければ、今も県の所有(ひょうご情報公園都市の土地所有者は県)のままであり、県は固定資産税等は払いません。
 企業誘致に成功すれば、それが5年間、固定資産税相当額を助成するという事になります。
 つまり、市にとっては増収と助成額が同額なので、差し引きゼロ。三木市の負担が1億円増えた分は市税収入も1億円増えています。6年目からは固定資産税がそのまま入って来る事になります。

「大企業優遇反対」などのイデオロギー論に私は意味を感じません。
「大企業・中小企業のどちらか」ではなく、「大企業・中小企業のどちらも」活性化させる必要性があると委員会で述べたところです。

 そのため、大企業をターゲットにした企業誘致は、今後とも続けていく必要があります。
 ヤクルトの例で言えば、初期投資額が150億円、その経済波及効果は300億円と助成金の数百倍あります。また、
地元に大企業があるという事は雇用の確保はもちろんの事、若者が三木市に定住したいというイメージの向上にもつながります。
 
 このような企業誘致の継続と合わせて、今回更に中小企業を振興していき、若者雇用を生み出していくことは、事業者の99%が中小企業である三木市にとっては不可欠であります。
 今回、大規模な3月補正予算と合わせて、住宅リフォーム助成などで地元中小企業の景気回復が図られることを期待しております。


 2つ目の「子育て支援・教育の充実」については、私も本会議で質問した、幼稚園、保育所の保育料25%負担軽減若者世代の新居建築購入時の家屋にかかる固定資産税等の軽減低所得世帯への中学3年生までの医療費無料化 などがあります。


 三木市は20代で200~300人の人数が毎年市外へ転出してしまっております。
しかしながら、他方で、0~5歳の年代では50~90人が市外から三木市へ転入してきている。
 この事は子育てしやすい環境を求めて、三木に移り住むというニーズがある事を示していると思います。
 

今回の保育料軽減、固定資産税等の軽減は今までに無い、画期的な若者向け施策だと思います。

 私が「若者が住みたいまち三木」という「イメージ戦略」を市内外に向けて発信していく必要性について問うと、市長からは「ツイッター」や「フェイスブック」などの若者向けの新たな情報発信にも積極果敢に取組むと答弁がありました。


 また、今回、三木市独自の「共同住宅の戸数基準」が撤廃されるなどの開発規制の解除や、再開発による若者の定住基盤づくりについて質問すると、市長は今はノウハウが不足しているが、今後、職員の受け入れや、開発業者との意見交換によって再開発についてのノウハウを増やして、再開発についても市民の皆様の同意を得ながら進めていきたいと言う力強い発言がありました。


「将来の三木を支える若者が定住できるまちにする」この事が私の三木市議会議員としての存在意義だと私は考えておりますので、今後とも、積極的に取組みたいと思います。


 3つ目の「高齢者対策の充実」については統合病院の10月開院に合わせて、直通バスの開通が主なものです。

 統合病院への直通バスについては、12月議会で債務負担行為として議決された再診受付機の予算が現年度化されましたが、委員会で再び、削減の修正提案が公政会から出されました。委員会では公政会、共産党から反対がありました。

 しかしながら、債務負担行為を一度議決した予算については、翌年度の義務的経費であり、議会が仮に否決しても、行政側に再議権があり、最終的に行政が執行できるものとなっております。
そういう事もあって、本会議では反対は共産党だけという形になりました。


 直通バスについては、現在のところ、年間2.5億円の赤字を見込んでいます。

しかしながら、試算では毎日252人が直通バスを利用して病院を利用するため、外来収入が6.2億円、外来から2割が入院するため、入院収入が11億円と17.2億円の収入増があります。

外来(252人×外来平均単価1万円×日数245日=6.2億円)

入院(外来の2割50人×入院平均単価6万円×日数365日=11億円)



 17.2億円のうち、利益率(0.6)と運営経費の三木市負担分(0.6)をかけた6.2兆円分が三木市のおおまかな負担減となります。

 直通バスが無ければ、病院に行かない人をバス利用者の1/3とすると2.1億円、1/2とすると、3.1億円の負担減となります。

 つまり、直通バス自体が赤字でも、統合病院という三木市の財政にとって非常に重要な事業の経営に寄与するという視点も忘れてはいけないと私は思います。


 2.5億円の赤字補填は、今のみっきぃバス等と同じ仕組みで、年度末に赤字補填という形で補助する事になりますので、今回の予算には計上されません。 4月~5月に、今度は年間経費を含めた市民の皆様への説明会があります。


 直通バスについての基本的な市の方針は変わらないとは思いますが、市民の皆様のご意見を反映する中で、年間の負担額をできるだけ抑えていく必要はあると私は考えます。