昨今話題になっています、地方公務員の退職金削減に伴う早期退職について記事にしたいと思います。

 兵庫県では3月1日に退職金の削減に関する条例が施行となります。

 

 退職金が削減される前の2月一杯(全国的には2月1日施行の所もあり、1月一杯)で早期退職して、退職金を満額受け取ろうという動きが今、大きな問題になっております。


 昨日、教育委員会に確認したところ、兵庫県では、早期退職者に対して3月末までの再任用は行わないという方針を出した事もあり、三木市の公立学校の教員で今年度で定年となる早期退職希望者は今の所いないという事で安心しました。


 そもそも、各都道府県の公務員の退職手当の削減は、昨年の衆議院の解散間際に、改正国家公務員退職手当法が成立した事が発端となっています。

 退職給付が民間より高い状態を是正するため、国家公務員の退職手当を約15%、平均403万円減らす改正法公布に伴い、地方公務員の退職手当も同様に減額するよう都道府県知事らに通知しました。


 少し視点を変えて、退職手当のあり方についてみていきたいと思います。

兵庫県では、退職手当債という物を発行しておりまして、なんと06年~10年度の5年間で兵庫県は約1500億円と、残念ながら全国で一番多い額を発行しております。


 退職手当債とは、公務員の退職手当(退職金)に充てるために発行する地方債のことです。

 かつては、早期退職者向けにのみ発行が許可されていましたが、団塊の世代の大量退職の対策として、'06年度から、10年間の期間限定で、通常の60歳定年退職者向けにまで適用の範囲が広げられました。

 

 本来、政府の債務、特に地方政府の地方債は公共事業に限って発行が認められるべきものです。

 道路のように、子や孫の世代にも利用ができる(利益が得られる)物については、今住んでいる人だけが費用負担するのではなく、借金をしてその費用負担を世代間で平準化するという理屈です。

 しかしながら、退職手当債を発行して利益を得るのは公務員だけです。

 退職手当債とは退職手当と言う経常的な支出に対する例外的な債務であり、国で言う赤字国債のような意味合いがあります。そういう意味でも、理屈に合いません。


 私は以上のような民間との格差、退職手当の財源という状況も考慮に入れる必要があると思います。

 年度末に施行すべきというのは、一理あります。1月末や2月末で辞めずに、3月まで働いたら数十万~百数十万円減額されるというのは、同情もします。

しかしながら、1歳年下の人が定年退職する際には、同じく減額した退職金な訳ですので、今年定年退職の人だけに許された逃げ切りという批判は当然出てくると思います。