市役所は市民福祉の増大を経営の目的として存在します。

しかしながら、実際には、その目的を実行していく市役所組織はめったな事ではつぶれない事もあって、民間と違い、経営の目的の達成度に応じた処遇になりづらいという事が、公務員制度の最大の問題点であります。

三木市役所を今よりも更に、市民のために働く市役所にするため、職員の確保、人事評価制度についての質問をし、私の思いと同じ、良い答えをいただくことができました。



<一括質問>

三木市では、2年後に定年退職者のピークを迎え、その後2年間は毎年30人以上の定年退職者数となっております。

 ベテランの職員が一時期に大量に抜ける事は、ベテランの持つノウハウ・技術の継承に失敗する可能性が出てくる事になります。


 一方で、近年の採用者数は退職者数に比して抑えられております。

三木市が財政危機宣言を出している事、近隣市と比べて人口あたりの職員数がまだ多い現状では、しかたが無い部分はあると私は思います。

しかしながら、中長期で見た場合は、採用を抑制した年代が谷間の世代となり、職員の世代の不均衡による弊害が出る可能性があります。

基本的には定年退職でベテランがやめていく中で、給与が高く無い、若手を採用していく必要があると考えます。


また、一般的に、公務員は年功序列の人事給与体系であり、処遇に差がつきにくくなっております。

職階に対する給与の重なり、いわゆる「ワタリ」の範囲が大きく、若くして幹部に抜擢された場合、部下よりも給与が低いという事はままあるようです。

市民目線で見れば、市民福祉の向上のために働く職員、責任のある仕事をする職員が評価されるべきでありますが、実際の仕組みはそうはなっておりません。

この仕組みづくりは非常に重要であると私は考えます。


三木市では幹部職員については市長の設定した政策目標に対して、その達成度によって、ボーナスに差をつけるという人事評価制度を既に導入しており、私はこれを非常に良い制度だと思っております。

現状、幹部職員の削減率が大きい、平均7%の給与カットがあり、幹部職員とそれ以外の職員の給与の差は縮まっておりますが、財政危機宣言が収束した後は、今よりも、処遇に差をつけていく事と、幹部以外にも能力主義による評価の導入を進めていく事が、市民のための市役所として重要ではないでしょうか。


そこで、将来の三木市役所の組織のあり方について、次の3点についてお尋ねいたします。

1点目は、職員の定年退職の増加による影響及び対策について、ご説明ください。

2点目は、今後の職員の採用の方針について、ご説明ください。

3点目は、将来の人事評価制度に対する考え方について、ご説明ください。




<一括答弁 1点目>

一般会計部門では、現在、519名の職員がおり、今後5年間で毎年、20~30名規模の定年退職者が出る見込みとなっている。この退職によって、技術やノウハウの継承の問題があると指摘されているが、これらについては、既に職員間の共通認識となっており、退職前の熟練職員の蓄積したノウハウ等のマニュアル化、いわゆる「見える化」を図って次世代へつないでいく取組を進めていきたい。



<一括答弁 2点目>

現在は財政危機宣言の期間中であり、新行財政改革プランに基づいて、職員の採用については極力抑え、人件費の抑制と適正化を図っているところである。

今後は退職者も増えてくるため、正規職員を定期的に採用し、また、職員の年齢構成の平準化を図るため、新卒者の採用だけではなく、「社会人経験枠」の中途採用等も実施していきたいと考えている。

また、定員適正化計画により、正規職員が減少しても、市民サービスの低下を招かないように、アウトソーシングなどの業務の効率化、任せられる部分は嘱託員等非常勤職員に任せ、最小の経費で最大の効果が得られるよう、適切に配置していく。



<一括答弁 3点目>

平成19年度から、適正な人事管理並びに、職員の人材育成の一環として、課長級以上を対象とした目標管理に基づく業績評価と、全職員を対象とした能力評価により、人事評価を行っている。

議員の指摘があったとおり、副課長以上の管理職については、(ボーナスの)勤勉手当や昇給など、処遇への反映を行っている。

今後はこの処遇への反映を全職員に対して行うよう、検討していく。

人事評価制度は組織人としてあるべき職員像に近づけるための人材育成に資するとともに、評価結果を処遇に反映することで、職責と能力に応じた給与体系の構築と、頑張ったものが報われるというインセンティブ効果のツールとなるので、今後とも積極的に活用していきたい。





<一問一答 質問1>

市役所組織のあり方について、私が追加で聞こうと思っていた事も大部分こたえていただきました。ありがとうございます。

退職者に合わせて、新卒者を採用するだけではなく、「社会人枠」を設けて、中途採用を増やし、谷間の世代の不均衡は大きな問題になりますので、是非、そのような採用をしていただいて、不均衡を解消する、また、社会人という事で、民間の全く異なる考え方、新しい血を入れていくという意味でも必要と思いますので、宜しくお願いします。

そういう意味では、幹部の外部登用についても考えてもよいと思いますが、これについてはいかがでしょうか?



<一問一答 答弁1(市長)>

今の市の行政は色々な諸課題、喫緊の課題を抱えており、待ったなしの状況。そのような中で、今現在では、幹部職員は内部の事情をよく知っているものが即実践するという事が望ましいため、内部からの登用を考えている。

やはり、今、一番問題なのは、幹部職員もさることながら、中堅職員層。この層をいかに厚くしていくかという事が非常に大きな課題となっている。

やはり、能力と処遇が公務員の場合はきっちりと連動していない、民間企業と違う体系が一つの大きなボトルネックになっている。

先だっての答弁のとおり、人材を育成していくという観点で、人事評価制度を導入していき、中間層を厚くしていきたいと考えている。



<一問一答 最後>

先程、私、外部登用に触れましたが、要は市民のためであります。「市民のための政策を作るには、内部の事情を深く知る必要がある」という事であれば、それは内部から、人を育てて登用していくという事だと思います。

他にも、先程市長が、民間と違う点を挙げましたがそのとおりだなと思います。

やはり、市長がマニフェストを掲げ、市民から選ばれて、その政策を実現していく、そのための体制作りというのは、人事権を持つ、市長の腕の見せ所だと思いますので、今後も人事評価制度を改善していただくようお願いして、私の質問を終わります。