大学教授こそこそ日記 (日記シリーズ)
(多井学著 /フォレスト出版)
大学教員の厳しい現実が描かれています!
こそこそ日記シリーズは結構な特集の数で発刊されており、
この大学教授編もその流れですが、
これまでのシリーズにはないネタバレがやばいかも?
そんな筆者への気配りが必要な内容になっています。
→ 正直に書いていただいているので
実にリアル感満載で楽しむことができます。
筆者は関西の某私立大学、KG大学国際学部教授
多井学(おおいまなぶ)はペンネームです。
→ 実名では書けないですよね!
大学教授と言う職業には一種の憧れがありますが、
実はかなりの博打的要素があり、
ひとたび間違ってしまうとアウトローになるし、
収入も思ったほど多くないようです。
最近では非常勤比率が高くなり、常勤(テニュア)での採用は
ハードルが高くなってきていると聞いています。
→ 優れた研究成果だけでは良いポストは採れない?
運あり、コネあり、裏工作必須の職探しと言えます。
とは言え、大学教授の最大の特権は『自由』ではないか?
そう思っていましたが、本書を読むと、それもそう単純ではない
かなり多くの制限を受けつつノルマをこなしていかなければならない
理想を掲げて働けるほど甘い仕事ではないようです。
筆者の多井学さんは長野県の某女子大からキャリアアップして、
今たどり着いたKG大学で年収1000万円超
KG大教授だと、学部長もやられているので
2000万円以上の年収だと予想しますが、
ここにたどり着くまでの苦労は相当のモノであったことが
本書からくみ取れます。涙ものです!
ただ、本書は単に娯楽本とも言い切れない、
若い人たちや、大学教員を目指す人には参考になりだろうし、
そういった狙いもあるのでリスク覚悟の出版に臨んだ
そんな筆者の意図が至る所からくみ取れます。
是非読んでいただきたいと思います。
結構面白く、すらすら読めてしまいます。