社外への出向は左遷なのか?
この1月で東京に出てきて3年になります。
東京暮らしも早いものでまる3年の月日が経ち、
その間いろいろとありましたが、現在は社外への出向の身です。
これが良いのか悪いのかは個人差があり何とも言えませんが、
60歳を超えると仕事があるだけでありがたいと思え、
そんな声がどこからともなく聞こえてきます(苦笑)。
60歳を前にして会社の外に出されてしまうと
役割は大幅に減り、責任もなくなります。
何をするにしても『管理職に確認して!』を要求されると、
仕事に自主性もなくなってしまいます。
この社外出向の状況は左遷と言えるのか?
今さらですが、これをまじめに考えてみました。
注目している作家のお一方に
楠木新(くすのきあらた)さんがおられまして、
執筆されている『左遷論』を再度読み直してみました。
既に読んでいる書籍ですが、読み返すと再度の気づきが甦ります。
『それまでよりも低い役職や地位に落とすこと』
『左遷には、収入も職能資格も変わらないのに、
重要度の低い組織や閑職に異動になることが含まれる』
→ 役職定年は給料が下がり、職能資格も変わるので
左遷には該当しない?
重要度の低い組織や閑職
→ 会社にとって役に立たない役割へ
→ 会社の外に出されること
→ 社外組織への出向はこれに該当する?
出向は会社に必要とされないが故に
出される場合が少なくありません。
そもそも会社にとって外せない人は外には出しませんから。
出向には2種類あります。
・在籍出向:比較的若い社員の場合が多く、会社に戻ってこられる。
→ 出向の目的はいろいろあるようです?
・転籍出向:歳を重ねた社員や、合併や統合に伴う組織の変化の際
最初は在籍出向で、最終的な目的は転籍出向、追い出しになる。
出向はあぶれた社員のポスト確保的な意味もあるとされ、
『あぶれた』と言う言葉がキーです。
つまり会社本体に居られなくなる余剰人員であるということ。
ただ、この無くなった居場所から退くことを決めるのは
自分ではなく他者であり、多くの場合は上司が決めます。
従って基本は他力本願であり、自分の意思や希望はそこにはありません。
と言うことは人間関係で決まると言うことでしょうか?
特に日本では能力重視のジョブ型ではなく、
メンバーシップ型で働くことが多いと言われているので、
第三者が他人の人生を決める場合もあるようです。
ひとつの結論を言えば、
社外出向は左遷である可能性が高いと思えます。
ここには年齢的な要因もあり、
60歳前後の出向は社員を解雇せずに
社内に置いておくための苦肉の策とも言えるので、
老齢化社会への対処策のひとつとも考えられます。
これは左遷とは言えないかもしれません?
ただ、出向に対する個人での受け止め方もいろいろで
一概に 良い・悪い を決めつけられないようにも思います。
これを転機にステップアップされる方もおられます。
出来れば最後まで自身の所属する会社に貢献したい、
こう思う中高年は少なくないように思いますので、
中高年がやる気をなくしてしまう現象にも繋がります。
→ 50代シンドロームはこうしてやって来る!
会社人生の折り返し時期に働く意味を見失う現象
更に結論の先にある考え方に、
左遷であったとしても、それをどう捉えるか
この考え方がとても重要だと言うことです。
今の自分としては、社外出向を充電期間、
次のキャリアの『はざま期』と捉えて、
セカンドキャリアに備えてみてはと考えています。
→ トランジション(転機)を迎えているとの認識です!
『左遷』であっても、それをネガティブに捉えるのか、
ポジティブに取り込んで次のチャンスに変えていくのか、
この捉え方によって『左遷が左遷でなくなる』、
ちょっと前向きになれる思考学習ができたのでは(笑)?