間接部門は会社の利益を生み出さない,でも肥大化する,だから問題! | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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間接部門は会社の利益を生み出さない,でも肥大化する,だから問題!

今日(10/27)の日経新聞からです.

 富士通,5,000人配置転換へ
  間接部門からIT事業に

これは世間体に配慮した富士通流のリストラでだと思います.
富士通グループ全体の間接部門人員は2万人(驚!)
このうちの5千人(人事,総務,経理)を,研修することを前提に,
ITサービスに関わる職種への転換を図るとの話です.

ですが,この職務切り替えに何人の社員がついていけるのか?
内勤から外勤になるのも大変だし,ITサービスの専門知識を
短期の研修でどれほど身につけられるのか? 実質的には無理?
ついていけるのはいいところ2割程度かと,
あとは自主的に辞めざるを得ない状況に追い込まれ,
やむを得ず退職の道を選ぶ,仕事に順応できない大義名分を会社として構築し,
人員整理を行う,それを狙った人員配置であるように思います.
→ 断定はしませんが.....

間接機能を富士通本体へ集約することも検討しており,
肥大化した間接部門の経費を売り上げで吸収できなくなっている
富士通の現状の問題が明確化しているといった感じです.

ただ,富士通の営業利益率は4.5%,
特に悪いという現状ではありませんが,
長期的なビジョンに立っての判断だと思います.
 → 富士通という会社は,こういった先を見た取り組みが早い,
   でも失敗する場合も少なくない?

儲けを作り出すところをプロフィットセンターと言い,
直接業務は人員に比例して売り上げが伸びることが一般的です.
本来はここだけで会社経営ができれば一番効率がいいと言えます.
ところが,組織が大きくなるとどうしても間接部門を単独に切り出し,
間接業務を専業とする部署を創り必要性が生じてきます.
 → その典型が,人事,総務,経理ですね!

間接部門は儲けを出すことなく,プロフィットセンターの稼ぎから
運営していくことになります.コストのみが発生するので,
コストセンターと言われます.

まともな会社運営をするには

 プロフィットセンター稼ぎ > コストセンター経費

この関係が崩れてはなりません.
逆転すると赤字になります.

この単純な構図が維持できないことで会社が痛んでいきます.
それが難しいのは,会社業績に波があり,対処が難しいからです.

業績が上向くと売り上げが伸び,それに伴い間接部門の人員が増え,
ヒトをどんどん雇います.ところが業績が下がった場合に
この増えた人は簡単に切れず,これ起因として儲けと経費の関係の逆転します.
出ていくお金が多くなり,会社の経営が立ち行かなくなります.

直接部門は売り上げが減っても,儲けに寄与する人員なので,
業績の回復で何とかなる人件費と言えるのですが,
間接部門はそれがそうならない,業績が下向くとコストの増加のみ
お荷物にしかなりません!

富士通はかつて,ハードもソフトをも抱えたビジネスモデルでしたが,
PCも,携帯電話も,半導体も,PDPも
全てのハード関連事業を売却しました.
ソフト中心の情報関連ビジネスに特化して業績を伸ばしましたが,
肥大した間接業務が経費の増大を招いており,これが問題化しているようです.
対策として,ハードビジネスを売って切り抜けた過去の施策は使えず,
今回の間接業務の直接業務人員への転換で乗り切ろうとしているわけです.
間接比率を下げるためのリストラ策であり,

・間接人員を直接人員に変える
・間接人員を減らす

一石二鳥のリストラを,不徳のない説明のもとに断行する富士通の施策は
この時代にはしょうがないというところはありますが,
不幸な人がたくさん出て来ることは間違いないでしょう!

景気がいいと言っても,
喜んでばかりはいられない,
そんな荒波が富士通の人員配置だと思いました.