伊藤雅俊 遺す言葉
(伊藤雅俊, 末村篤著/セブン&アイ出版)
小欲を捨て,大欲を得る決断がセブン&アイの今を作った!
メディアの露出度から,どうしても目立ってきたのが
前 CEO の鈴木敏文氏ですが,この伊藤雅俊氏がいてこその
鈴木敏文氏,セブン&アイだと言うことがよく理解できました.
並みの経営者であったなら,後継は我が子にと考えるモノですが,
会社の先の先を考える事を優先し(創業者と言え,会社を私物化しない),
性格的には真逆の鈴木氏を後継に指名,
これが素晴らしい判断であることは言うに及ばず,
その公私混同しない采配が故の今のセブン&アイの繁栄だと言えます!
創業家としての立ち位置は難しいものですが,
社長引退後には一線から身を引き,表に出るようなことはせずに,
資本家としての立場で会社との関係を構築されました.
ここには日本で最初の本格的コンサルタントと言える田島義博氏との出会いや
ピーター・F・ドラッカー氏との親交が影響したとように思います.
この他にも,素晴らしい方々との出会いが本書で紹介されています.
世に名を遺す偉人の共通点は,
浮利(ふり)を追わない姿勢を貫くこととあり,
全く同感,その通りだと思いました.
組織のトップに立つ方はこうあるべきだと芯から思える,
伊藤氏の志の高さに感銘した次第です.
後世に遺す言葉として,本書は綴られています.
その内容は,我々の世代,その次の世代が学ぶべき事実や教えが多く,
幅広い世代の方々に読んでいただきたい書籍だと思いました.