上司のための心理学 組織と人を生かすカウンセリングマインド
(國分康孝著 /生産性出版)
カウンセリング心理学の応用編と言える本書!
Cure(治療=心理療法)である臨床心理学とは異なる
Care(健全者対象のカウンセリング)であるカウンセリング心理学を
基本理論に据えて,職場における上司の着眼点に特化して,
周囲への配慮の在り方を説いています.
上司・部下という関係を組織における役割としてどう捉えるか?
役割はあくまでも会社の中での仕事の分担であり,
個人的な人間関係とは切り離して考えなければならないとあります.
これは何が言いたいかと言えば,
上司であることが部下のすべてを支配できるかのような
錯覚, 『俺は部下より偉いんだ!』 みたいな感覚を考えた場合,
これは明らかに間違っているということです.
仕事の役割上,上司は指示を出し,部下はその指示に従い
具体的に実務を遂行するだけの事であり
それは役割分担ということです.
これに責任と権限が付いてきます.
より責任の重い仕事をしている人の方の給料が高く,
それが仕事上の役割の高さということ,人格は別物であり,
これに人間関係を支配される必要性は生じないということです.
組織の中で働くということを,非常に論理的
且つ納得のいく説明をしている本書は,人間関係に悩んでいる
組織人に対して,何らかの解決策を提示するように思います.