しがらみの塊,日本的経営
今日(10/21)の日経新聞,私の履歴書からです.
今月(2017年10月)の執筆は元野村証券副社長で
産業再生機構社長,東証社長でもあった斉藤惇氏
今日の話ではカネボウの粉飾決算の回想が述べられていました.
→ これが伝統的とも言える日本的経営でしょうか!
まずいところ,問題がある点には触れないで....
昔はそれでよかったんだから...
その問題は分かっているが,ばれるまで触れずにおこう...
それが法違反,コンプライアンス違反であっても,
見つからなければ隠すことが美学,見つからなければよい!
そんな典型がかつてのカネボウ,その後の東芝,神戸製鋼,
驚くべきは日産自動車と,名門企業が続々とあがっています.
斉藤さんがカネボウの過去の決算を調査,
2,150億円もの粉飾が判明,この時の東証の措置は上場廃止,
カネボウの粉飾決算の噂はかねてからあったのにほったらかしにしていて,
問題が露呈した瞬間に態度を豹変,どこの会社でもある
問題が出てきたら今までの態度を一転,責任が自分に降りかからないように
体裁を整える,やることはやったんだからと....
斉藤さんが証券アナリストにカネボウの状況(決算)を
調査してほしいと頼んだ際のコメントには驚嘆,
『カネボウは粉飾の可能性が高いので,
まともに分析して投資家に勧める銘柄ではないんです.』
が~ん.....
ここまでわかっていても問題先送りしていたのか.....
東証はそれほどの情報を放置しており,
市場管理責任をどう考えていたのだろうか?
そんな東証社長に斉藤氏が就くことになる背景は
社会を変える必要性を強く感じた官僚がいてくれたからで,
そういったドライビングフォースが働かないと,
会社も社会も変われないのが常のように感じています.
会社経営は難しいものです,やったことは無いけれど(汗).
やっている中で,法律も変わる,社会環境も変わる
そもそも経営に関わっていく人の考えも変わる,
そんな中で変わるべきことに追従すべきのはずですが,
常に旧体制派は既得権を手放したくないので変えたがらない,
変わるべき正論を訴えてくる改革派をつぶそうと画策,
これが会社内でのもめごと,火種になります.
会社は人が変わった(人事異動など)時,
いろいろな問題が露呈してきます.最悪,潰れてしまうことも!
今回はカネボウの話が紹介されていましたが,
どこの会社でも,特に日本的経営をしている古い会社であるほど
ありうる話として共感しています.