人々は会社を去るのではない,悪い上司から去るのだ!
昨日(10/19)読み終えた書籍
『日本の人事を科学する』 第6章 にある
優秀な社員の定着率を上げるためには何が必要か?
そこに米国で好んで語られる格言,
『人々は会社を去るのではない,悪い上司から去るのだ!』
が 紹介されています.→ 納得!
著者の大湾秀雄氏によると,
上司の評価の付け方と離職の間には強い相関があり,
統計的手法,回帰分析によってそれを示すことができるとあります.
⇒ 細かい手法については本書を一読ください.
悪い上司の定義は難しいのですが,
簡単に言ってしまうと,部下と上司との悪い相性だと考えられます.
ヒトは誰とでも馬が合うことは無く,合わない人が必ずいる,
それが上司だと仕事が続けられなくなり,離職に至るケースは多く,
皆さんの周りでも結構見受けられるのではないでしょうか?
ただ,注目すべきは,悪い上司だけではなく,
良い上司の元からも去るケースもあるとのことです.
部下の能力を伸ばしてしまうことで転職機会を増やしてしまう,
そんな現状も見えているそうです.
→ 人事処遇で問題となるのはケースバイケースです!
人手不足の昨今,人員確保はそれなりに大変で,
会社の将来は人ですから,離職率は低く抑えることが重要です.
ところが,必ずしもそうではなく,特定の人がいついてしまうと
問題があ起こります.今騒がれている定年延長の問題もこれに該当します.
何にせよ,一律一辺倒の議論はできず,
視点を多面的に持ち,その場に応じた適切な判断が必要ですが,
本書での結論は,仕事の魅力を高める事,
といった比較的当たり前の話なっていました.
この魅力を高める施策も各社各様,
その中で研修を充実させる効果も示されています.
お金が最も分かりやすい仕事へのインセンティブですが,
それは長期にわたる仕事へのモチベーションとしては十分とは言えず,
メンタル面での充実が,飽きやすい人への施策として,
結構有効であることは,なんとなく実感するところです.