ストックホルムへの廻り道 | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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ストックホルムへの廻り道  ―私の履歴書―
(大村 智著 /日本経済新聞出版社)

山梨県の英雄,自伝を綴る!

これほど山梨県民に愛され,日本中,
いや,世界中に人的ネットワークを張り巡らせ
尊敬されている人がいるだろうか?

そんな大村さんが綴った自伝,
2016年8月に日経新聞の『私の履歴書』に掲載された内容を
編集し直したものが本書ですが,かなり加筆されています.
 → 新聞紙面上のこのコラムも欠かさず読んでいました.

大村さんはいわゆる(東大卒の学歴)エリートではなく,
現場のたたき上げです.夜間の工業高校で教鞭をとり,
教鞭をとりながら東京理科大学で学位取得,
北里大学も技師補で採用されており,
今の地位は実力でつかみ取った方です.

これがやっぱりすごいですよね! 
真に実力があるからできることです.それと人柄というか,
世界中の研究者,仕事に関わらないゴルフ仲間も含めて
形成されてきた人的ネットワークが特にとびぬけて凄いと感じました.
このネットワークが正のロジックを生み出し,
さらに仕事の幅が広がり,門弟たちに継承されているようです.

例えば,多くの取得された知的財産の中でも有名なエバーメクチンで
得た莫大な特許料は,北里研究所の立て直しに貢献したことは周知ですが,
それ以外にも,自身が手にした報奨金ですら,基金を作る,
女子美大に寄付する,最期には温泉まで掘って,
隣に蕎麦屋を作ってしまう(韮崎市民の憩いの場でもある?).
これが自分の私利私欲・物欲の為ではなく,社
会への貢献を第一に考えた行動であり,
さらにこれが嫌味なく自然に環境に調和していることも注目に値します.

お人柄は,いばらない,偉ぶらない,自慢しない,
そして他人への心遣い(仕事に関係する,市内の区分けなく)
何をとっても神がかり的のように見えます.
残念ながら,実際にお目にかかったことはありませんが,
同じ山梨県人,噂はそこここから湧いてきますので....

大村さんが多くの人から尊敬されるのは当然のことではないかと!
本書にもそんな大村さんの人柄が現れているように思いました.
人が生まれてきたからには,
こうありたい一つの理想を見たような気がしました.
この方は,山梨県の英雄ですね!