山梨学院が法科大学院の募集を停止 | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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山梨学院が法科大学院の募集を停止

今日(5/30)の山梨日日新聞からです.

 法科大学院 定員割れ続く
  募集 山学大停止 来春から

2016年度から学生募集を停止することが明らかになりました.
正式には6/1に記者発表するとのことで,
県内唯一の法科大学院は幕を閉じることになりました.

2015年度の入学者は定員を15名に減らしたにもかかわらず
 (当初は定員40名,これが20名になり,更に減らしたのですが)
合格者は定員を上回る数を出したそうですが
 (ご近所に関係する知人がいるので聞いた話ですが)
入学したのは結局6人,定員充足率が40%となり
本年度の新たな算定制度導入により国の補助金が40%となり
財政的に苦しくなったことも今回の決断に繋がったと思われます.

山梨学院からは80名以上の司法試験合格者を出していますが,
その後の活躍ぶりは伝えられていません.
入学者は年々減少,司法試験を合格しても十分な職に就けない事情もあり,
人気は下がる一方でした.ただ,残るべき大学は残っています.

これは必然的,ある面致し方ないかと?
法曹会に限った話ではありませんが,
どの会派でもOBありきの世界であるからです.

 就職で強い大学は,OBが頑張っているからで
 OBの実績によって後輩が恩恵を被る形が出来ていると思います.

OB輩出率の高い大学が人脈で繋がり,更に輪を広げていく.
先輩は後輩を引く,同じ学派で固まる
 (近年はこの傾向は弱まる方向とは言え)
ここに学派を越えた人脈が入るのは不可能ではありませんが,
簡単ではないように思いますね!

少人数の場合は個人の付き合いで何とかなる部分もありますが,
大多数の中での集団活動は,
このOBによる繋がりが強く影響する場合があります.
OBでない場合は入っていけない繋がり,この弱い繋がりが
 → The strength of weak ties (弱い紐帯の強み)

 https://sociology.stanford.edu/sites/default/files/publications/the_strength_of_weak_ties_and_exch_w-gans.pdf#search='weak+tie';

 実は人生を決めている場合が少なくないことを最近痛切に感じています.

山梨県の中で山梨学院出身の弁護士はやっていける可能性はありますが,
県内でそれほどまでに訴訟があるわけではなく
 (稲門会OBの弁護士も嘆いております!)
県外に出ていくとかなり苦しい,特に都心部では閥のある大学が
タッグを組んで仕事を取り込んでいることもあり,
残念ながら司法試験を通ったからと言って,
全ての人が同じスタート地点には立てないのが現実だと思います.
 → こう言った本音のところは,分かっていてもオープンに出来ませんね?

みんなそれを知っているから,特定の大学に集まり
そこで資格を取らなければならない,故に特定の大学に集まる傾向は
年々強まる訳です.
勿論,法曹会の人気が下がっていることもあり
淘汰の波も併せて押し寄せています....

おそらく,残る法科大学院は 旧帝大と都心部の多くのOBを輩出している
実績のある私立大学,国立大学も地方では成り立たなくなると予想します.
現実にそうなっていますが...

理想と現実を考えると,
山梨学院での法科大学院はこうなる運命にあったことは
予想の範疇だったかもしれません(結果論,失礼多謝)?
資格を取るだけで生きていけると言うほど,世の中はやさしくない
現実はその業界ごとの裏事情を的確に掴みつつ
賢い選択をしていかなければならないと言うことでしょうか?

 現実は厳しいモノです(涙)!