女性学・男性学 ジェンダー論入門 | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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女性学・男性学 ジェンダー論入門(伊藤 公雄, 国信 潤子,樹村 みのり著 )

人は女に生まれない,女になるのだ!

ジェンダーバイアスとは男女という決めつけによる偏見を意味し,
対してこれが偏見であるというのが昨今の見方ということです.
日本では昔から 『男は男らしく』,『女は女らしく』 
育てられることが一般的で,これがジェンダーバイアスであり,
偏見とみられることがなかったのが国内の考え方の主流だったわけです.

ところがひとたび国外に目を向けると(例えば,スウェーデン),
男女は平等に育てられ,性的な固定概念を植え付けられることを
否定的にとらえるような教育を受けているわけです.
 『女性も男性も同じ人間,ジェンダーバイアスはありえない?』
  のが大前提みたいな男女差異を考えないことを良しとしています.

このジェンダーバイアスは今の女性の社会進出を妨げ,
男女の格差(賃金,出世,家事の分担)をつくっているということですが,
否定はしないものの,これが本当に悪かったのかはよく分かりません? 

確かに,男女格差の起点にジェンダーバイアスがあったことは
国内と国外における女性の社会進出に差があることからも
明らかだとは思いますが,これがいいか悪いかの判断は別物のように思います.

日本ではジェンダーバイアスを良しとして子供のころから育てられてしまい,
国外での偏見を偏見としないことを良しとしています.
これを就職,もしくは社会人になった段階で
いきなり否定しろと言われる当の女性も,簡単に割りきれるものか?

本書を読んで感じたことは,
女性は女性として育てられるから女性になるのであり,
その女性に関わるジェンダーバイアスは
育てられてしまってから偏見として取り除くのは難しい?

この偏見を取り除くのであれば,
生まれてきた段階での育て方を変えなければならないと思いました.
簡単に言えば,女性の社会進出が進んでいる国の女性の育て方を
採りいれるべきだと言うのが結論かと!


この他にも話題が多様で,
シンデレラコンプレックス,DVに関する男性の心理や,
熟年離婚,仕事を定年した男性の精神的な柱の脆さ等,
日本人の常識を覆す国外に目を向けた際の
一般的な考え方の有り様を教えてくれます.