東大進学実績 668 対 12 の大差は何を示すか? | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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東大進学実績 668 対 12 の大差は何を示すか?

今日(10/5)の日経新聞,日曜日に考えるからです.

 代ゼミ,怠った生徒目線 迷走の果て20校閉鎖
  1980年代 拡張期に変調の目

3大予備校の一角,代々木ゼミナールが存続の危機に曝されていることは
周知だと思います.この背景には時代の変化を読み切れなかった過ちと,
 → ネット配信による講義がここまで主流になるとは...
 → 現役合格で行ける大学に進学する風潮....
 → 予備校を選ぶ高校生の目線,口コミの恐ろしさがここまでとは...

東進ハイスクールの台頭を侮った奢りがあったように述べられています.
 → 所詮,成り上がりの予備校,我々の敵ではない...
 → 我々には我々がやってきた手法で生き残ってきた実績が...

時代の変化はゆっくりですが確実に進んでいくので
これを感じ取れるか否かは人それぞれ,会社にも同様な温度差があります.
その当時の成功者にとって時代の変化を受け入れにくい事実があると共に,
成功している現状路線を変えたくないと言った,継続を目指します.
対して新規参入者には変化をチャンスとして捉える
変化に乗りたい,これまでの継続路線を変えたい意向が強く働きます.

どちらの考え方が変化をうまく捉えられるか?
それは一目瞭然,後者である場合が多いわけです.

母体が大きすぎる代ゼミは東進ハイスクールの戦略をとれなかったし,
かつての資産の上に成り立っているビジネスモデルは
変えようと思っても簡単に変えられない,止むに止まれぬ事情も存在しています.

代ゼミもサテライン予備校で対向したモノの
 『浪人生の授業も流されるために現役生が習っていない内容が混じる』
  これは顧客目線になっていないと言えますね.

『東大現役合格』を掲げて全国展開した Y-SAPIX の迷走は
  → SAPIXはそもそも中学生向け高校受験のプログラム?
生徒数が収入に影響する代ゼミ講師陣に猛烈な反発を引き起こしました.
これを目にした高校生は一斉に引いてしまい『代ゼミ離れ』が加速,
そもそもSAPIXはシステムではなく講師の力量によるモノだったわけで,
SAPIXは全国への拡大が困難なビジネスモデルだったと言われています.

東進のビジネスモデルは東進衛星予備校を909校全国に展開していますが
保有不動産が2カ所だけ,映像授業の衛星予備校は地方の塾とのFC契約が主,
山梨の甲斐ゼミナールもこれを利用(結構評判が良い!)
講師の力量に依存しない講義が,聴きたいときに聴きたい場所で受講できる
強みを遺憾なく発揮していることになります.

 ナガセ社長の永瀬昭幸氏談

 『直営校だと校舎によって先生の当たり外れが出てしまう!』

実力のある講師の授業を映像にして10万人の生徒がいるFC高に提供
生徒側からすると,ネット配信に違和感がないので願ったり叶ったりなわけです.
講師側からすると,映像を撮ればあとは自由に時間が使えるので,
東進の有名国語教師 林修氏がテレビタレントとして活躍できるように
このシステムはインターネットを活用したこの時代には
実にマッチングしたシステムと言えます.

ただこれを10年前に予想して対策を採れと言っても
そう簡単にできなかっただろうし,時代の流れを掴むとは
こう言うことですが、簡単ではないと言うことでしょう!

驚くことに,東進の映像授業は15,000にのぼり,
毎年3,000~4,000 の講義が更新,成績が向上しない講義は
廃止か撮り直しをするとのことです.
この点もかなり高いレベルで顧客目線の施策となっていることが分かります.

この結果が

 東進:代ゼミ = 668人:12人 に繋がったわけです.

3代予備校の駿台,川合塾は何とか横ばいの学生数を確保,
代ゼミのみが市場からの撤退を余儀なくされていることは
何を物語っているのか? よく考えなければなりませんね...