嫌われ者の流儀 (野村克也&竹中平蔵共著 / 宝島社) | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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嫌われ者の流儀(野村克也&竹中平蔵共著 / 宝島社)

嫌われ者のキーワードは 『変化への追随』

野球界で4チームの監督を経験した野村克也氏と
小泉改革で陣頭指揮を執った竹中平蔵氏,
各々の業界で最も嫌われていたと言われる両氏が
嫌われ者のあるべき姿を対話形式で語っています.

両氏は嫌われ者であったが故に苦労もされていますが,
世間的には成功したわけで,何故嫌われ者が成功するのか
(本当の意味で全ての人から嫌われていなかった?), 
そのエッセンスは 『変化への追随』 だと思います.

一般に人は変わることを避けたがる,
特に日本人はその傾向が強いようですが,
変わらずにそのままでいられるのであればできれば現状維持,
これまで通りでやっていたい,ところが多くの場合で環境が変化して,
人が変わって,時代が変わって,ビジネスで言えば成功モデルも変化しています.
今までのやり方が時代の流れに沿って通用しなくなります.
それが最悪の場合に破綻に繋がることは現代の常です.
これに追随すべく変わろうとする人,特に組織のリーダーが
変化を求めると変わりたくない人から疎んじられる.
特に変わりたくない人の方が絶対多数で,大多数から変人扱いされる,
小泉首相もそうだったと思いますが,この一部に存在する変人達こそが
変化に追随できない破綻寸前の組織を救うということでしょう.

組織のリーダーたる者嫌われ者であれ,
これは 『組織はリーダーの力量以上に伸びない』 
と言う野村氏の格言に基づくと,
組織に変化をもたらすものこそ指揮官としてふさわしく,
その采配のもとで組織は生き残れるということです.
変化を嫌ういわゆる常人では組織を維持し,
変化に追随させていくことができないからです.
特に昨今のような激変の時代にはそういった嫌われ者が必要のように感じています.

書かれている内容は両著者のこれまでの書籍に概ね述べられているので,
斬新な気付きはありませんが,
異なる業界でともに嫌われてきた両氏の考え方の共通点を見いだせることに
本書の面白さがあるように感じました.
書かれている内容は難しくないのですぐ読み切れてしまいます.