家電量販の流通革命
今日(4/20)の日経新聞,日曜に考える
シリーズ検証,流通革命50年の興亡
『家電量販,消えゆく古証文(ふるしょうもん)』 からです.
ここ数年の大型家電量販店の再編はめまぐるしいモノがありますよね?
これにはかつて家電流通の再編を阻んできた古証文が効力を失ったが故だとあります.
ただ,勝ち組であるヤマダ電機もネット通販との戦いに苦戦,
正直どこが勝ち組なのか,よく分からなくなっています.
ヤマダ電機はかつての『パナショップ』だったそうで,
販売が振るわず店じまいのために『処分セール2割引き』にすると
商品は飛ぶように売れたそうで(1981年),
山田社長はこの時に安売りに活路を見いだしたとのことです.
ただ,この安売りもモノ余りの今の時代には
必ずしも正攻法とは言え無いかもしれませんが....
安売りの原点はダイエー,当初ダイエーが安売りで大手家電メーカーとぶつかった時,
価格支配権を長年持ち続けていた当時の松下電器は,ここから徐々に収益性を落とし
かつての優良企業は苦戦を強いられるようになったように記憶しています.
1990年代のことだったかと....
松下幸之助さんは1989年に亡くなっており,
松下電器の苦境を知ることなく幸之助さんは他界されたことに....
思い起こすに,小生が中学~高校生だった頃(~1980年),
家電製品は関西で言えば日本橋(にほんばし,にっぽんばし ではなくて)の
小さなお店を渡り歩いて,一番安い店を見つけて購入しました.
ネットもなければ,価格ドットコムもなかったので,
一店舗ずつ価格を聞き(価格交渉も兼ねての価格調査でもありました),
足を棒にして集めた価格情報でどこの店で買うか決めていたモノです.
それが1990年代に入り,家電量販店がどんどん大型化,
関東で言えば『YKK』,群馬のヤマダ電機,栃木のコジマ,茨城のケーズHD
関西で言えば上新電機や今は無き中川無線,ベスト電器
ここでまとめ買いが出来るように家電の買い方が変化していた様に記憶しています.
小生が山口県宇部に移り住んだ1999年,九州に近い西日本はベスト電器が
かなりの勢力を伸ばしていたのですが,2001年にヤマダ電機が進出,
どちらで買う方が安いのか迷ったモノですが,今や一緒になってしまった...
銀行の再編にも同じような経験がありますが,
会社同志が勝手に統廃合を繰り返し,どことどこがどうなったのか分からなくなります.
ベスト電器のポイントカードや保証書がどこまで使えるのか
まったく分からなくなってしまったように思います.
→ ベスト電器で購入した家電製品の保証書が今も手元にあります.
もう意味が無くなってしまった...
結局今,生き残っているのはヤマダ電機とビックカメラ,ヨドバシカメラ
カメラと名が付く会社は秋葉原での商売の名残と言えるでしょうか?
上新電機も一度は破綻していたかと,そんな中での厳しい競争が
今の家電量販店の生き残り競争の結果だと言うことでなんでしょうね?.
この競争は家電メーカーの収益にも激しく影響,
値付けはメーカーがするモノだった慣習は,購買力が強くなった
家電量販店に持って行かれ,販売機能を持たなくなったが故の家電メーカーの
商売の有り様も変わったわけです.
では今の勝ち組はどこか? アマゾン?
小生は最近何でもアマゾンで買う習慣がこびり付いています.
ヤマダ電機でもアマゾンの価格を見せるとそこから100円引いてくれますし,
急ぐモノはヤマダ電機,ただし大物は買わない
そんな購買習慣が身に付いてしまった昨今を再確認できた日経新聞の特集記事でした.