薄利多売の小売業,売り上げは順調に伸びているが... | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

イメージ 1

薄利多売の小売業,売り上げは順調に伸びているが...

今日(3/15)の日経新聞1面からです.

 セブン&アイ最高益 
  前期純利益3割増 コンビニ好調

セブン&アイ・ホールディングスの収益拡大が続いており
2014年2月期の連結純利益が1,750億円(前期比3割増)
2期連続の過去最高益を更新したそうです.
コンビニ業が好調,総合スーパー事業が苦戦する部分を補い
グループ全体では成長を続けているそうです.
実にめざましい成長期にあると言えます.

ただ,サービス業故の大変なところも見えなくはありません.
売り上げは5兆6,000億円,これに対して営業利益は3,400億円
これで売上高営業利益率は6%,この数字が高いかどうかです.

トヨタを対比するとその違いは歴然です.
 (ただ,赤字の続く大手電機と比較すると何とも言え無い?)
トヨタの今期の売り上げは25兆5,000億円,営業利益は2兆4,000億円
売上高営業利益率は9.4%,一般的に組織の規模が大きくなると
その維持にかかる間接費が上がるので利益率は下がると言われているので,
約5倍の売り上げを達成したトヨタの営業利益率がセブン&アイの1.5倍
であることはある面凄い差であると言えなくはありません.

 ちなみにイオンの売り上げは6兆4,000億円,
 これに対して営業利益は2,100億円,売上高営業利益率は3.2%,
 セブン&アイの半分しか利益があがっていません.
 (これはイオンがかなり積極的に投資を続けている故ではありますが)

やっぱり小売りは薄利であると言うことだと思います.
加えて今日の日経にこんな記事もありました.

『ほっかほっか亭のハークスレイ』大卒初任給7万円上げ
 大卒の初任給が28万1,190円になるそうです.
  この金額は一見高いように見えますが,
  2015年度の社員平均給与は500万円,事業別の給与水準で比較すると
  先々の給与水準はまだまだ低いと言えます.
   → 初任給の高さで優秀な社員を引っ張るしかない?

小売業は会社全体の利益水準が低いが故に
末端社員への給料がなかなか上がりにくく,それを知ってか,
製造業に比較すると新卒の就職先としては人気がなかなか上がらない,
それが実状のようです.
勿論,仕事は給与水準だけではありませんから,
やりがいがあればそれを優先することも間違った選択ではありませんが,
給料は高いに越したことはありません.

2/26の日経新聞2部に新卒広告特集
就職先希望の大卒人気企業ランキングが出ていました.

人気は文系学生の場合,金融,商社,運輸です.
残念ながら小売業の人気はあがっていません.
個別に見ると文系のトップは東京海上日動火災保険,
理系はJR東日本,小売業のランキングはと言うと50位以内には
文系・理系共に1社もありません.
小売りのトップは三越伊勢丹グループ,総合ランキングは77位です.
ニトリが103位,セブンイレブンジャパンが187位,
イオンリテールは277位です.小売りの人気がいまいち上がっていないことは
ここからも一目瞭然,給与水準の低さがネックになっているようです.

優秀な人材を小売業に,そのためにはこの給与水準を如何に
他の業界に近づけるか,この点が今後の小売業の課題になる,
業績の好調なセブン&アイにおいても頭を悩ませるところなのかもしれません.

 企業は人なり,優秀な人材確保は企業の生命線でもあります!