稲盛和夫の経営問答 従業員をやる気にさせる7つのカギ | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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稲盛和夫の経営問答 従業員をやる気にさせる7つのカギ
(稲森和夫著 / 日本経済新聞社)

経営で苦しんでいる企業トップがいかに多いか,経営の実状が理解できる!

本書は特に中小企業の経営者向けに書かれた経営問答集ではありますが,
それ以外にも多くの人が仕事面でのメンタルフォローを
受けられるように思いました.

つまり,この世の中では仕事(ここでは経営になりますが)で
悩んでいる人が如何に多く,その多くの事業環境が厳しいということ,
楽々収益を上げている会社なんてないんだ! 
それを知らしめてくれる良書です.

人間は自己中心で,仕事がつらいのは自分だけのように感じてしまいがちですが,
本書に質問をぶつけてこられている経営者の多くは,
苦しい事業環境下を何とか生きぬこうと藁にもすがる思いで
稲盛さんに質問をぶつけています.それらを読んでいると,
まだまだ自分の置かれている環境は恵まれているように感じた次第です.

この稲盛氏のアドバイスは厳しさの中に優しさがあり,
優しさの中に厳しさがある.このメリハリ感に説得力を感じますね!
たとえサラリーマンであっても大いに得るところがあるアドバイスが多いです.

・追及することで人は育つ(上司たる者,フォローすることを忘れない)
  また,人を育てるのであれば結果を追求する,基本は信賞必罰である!

・社員一同が幸せになるような適正な儲けを出すことを考える.

・ビジネスでは『飛び石を打ってはいけない』,地道にやることが大前提!

京セラではショートタイムでの計画しか立てない,
中長期計画は投資だけが先行してしまい,特に中小企業では危ないと言っています.
小生の今までの経験で,投資計画で採算計算をしますが,
特に売り上げにかかわる事業計画ではリーマンショック以降もそうですが,
これまでの計画で9割以上が未達,これは客の言うことをそのまま
売り上げ計上するバカな営業に引っ張られるところが非常に大きいわけですが,
これ以外にも生産能力がない,歩留りが想定通りに出てこない,
いろいろな問題があります.

中小企業の場合,高額の投資を夢のような売り上げ計画前提では絶対にやってはいけない,
このことを言いたいのだと思います.全く同感です!
基本は社員の生活を守る事業計画をどう描くか,この点に尽きるとあります!

当たり前ですが,
自身の実入りを優先に考える人はトップに立つべきでない,
会社は経営者一人のものでは無いということを上に立つものは
認識することが重要と説いています.
基本,儲けは会社の成長に必要な分を取り除いて
社員にばらまくべきもんだと思っている,
そのために会社の決算表は社員に公開することが
大前提になるというのは全く持って納得いくロジックです.