大学以外での自己啓発 | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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大学以外での自己啓発 

いろいろ考えるところがあり,昨年の四月(2012/04)から
産業カウンセラーの育成講座を受講しました.
講座は昨年の11月に修了,この1/20がその資格試験でした.
ここで得られる『産業カウンセラー』なる資格は国家資格ではありません.
産業カウンセラー協会が独自に認定するモノですが,
昨今はそのニーズの高まりから意味のあるモノになっているようです.
詳細は協会の URL に記されています.

 http://www.counselor.or.jp/about/about.html

<2011年度 試験結果>
 総合合格者数:3,259名(総合合格率:60.5% *)
  * 3,259÷5,389(総受験者数:いずれか1科目でも受験した者)

試験は筆記試験(産業カウンセラー概論等:90分,事例研究:60分)
実技試験(ただし免除される制度がある)

養成講座を受講して,所定の能力が認められると実技試験が免除となります.
また,この講座を受験することによって,
資格試験を受験する資格が得られますが,ベースが臨床心理学なので
大学院で心理学を専攻している場合は特別に講座を受講しなくても
受験資格が得られますが,稀なケースと言えるでしょう.

小生にとって,心理学はまったくの異分野につき,養成講座を受講,
運良く実技試験は免除になりましたので,1/20の筆記試験に臨んだと言うはこびです.
合格発表は3/7に発送される合否発表によって明らかになります.
 → 試験のできは何とも言えないレベルでした....
   (まずは知識を得ることが目的なので,試験結果は結果として受け止める?)

さて,この産業カウンセラーの資格を得ようとしたきっかけですが,
結構深刻なところとして,大学時代の友人の自殺があります.
この友人は大学時代の研究室の同僚で,
特に仲の良い5名のひとりでもあり,
毎年正月に集まってワイガヤしていました(卒業して25年になります).
ところがそのメンバーひとりが不幸にも自殺の道を選んでしまったのです.
これは小生にとっては実に精神的ダメージが大きく,

  『何故,助けてあげられなかったのか....』

最後の選択をする前に話を聞いてあげられれば助けられたのに,
非常に残念でならなかった思いがこころのどこかに引っかかっていました.

そんな時に家内がこの『産業カウンセラー』の養成講座を勧めてくれたわけです.
それが受講のきっかけとなりました.

産業カウンセラーの活動領域は大きく3つ有ります.

 1.メンタルヘルス対策援助(これが受講の目的でもあった訳です!)

 2.キャリア開発援助

 3.職場における人間関係開発への援助

昨今の職場を取り巻く課題として,人間関係を中心とした
メンタルヘルスへの取り組みがあげられていますが,
この課題を50年以上前に取り上げていた産業カウンセラー協会の先見の明は
お世辞ではなく,たいしたものだと思っています.

この活動領域を支える基本理念が
アメリカの心理学者カール・ロジャーズ博士の教えであり,
特にロジャーズが重視したのが『傾聴』と『共感』でした.
『傾聴』とは人の話を聞く基本姿勢であり,
そこにはクライエントの主観的な気持ち(客観的ではなく)を
無条件に受け止め,クライエントの感情に『共感』することが必要だと
主張されています.カウンセラーは傾聴に終始し,クライエントの自己理解を助け,
最終的にクライエントが自身の問題に対して解決できるように援助するのです.
その主役はあくまでもクライエント,カウンセラーではありません.
この考え方は小生のこれまでの人生には無かったとらえ方で,
最初は正直言って違和感がありました.
 (要は,自身の考え方と大きく隔たりがあったと言う事です)

ところが,種々学習を続けていくと何故そうなるのか
理解できるようになってくるのです.
理由は明瞭で,人間個々のパーソナリティーはその人にしかない特徴であり
仮にその人を救うのであれば客観的な判断ではなく,
クライエントの主観的な感情や心の動揺を
無条件に受け止める必要があるからです.
ここに客観的な認識を当てはめてもクライエントを苦しめることになり,
クライエントのかかえる問題を解決することは出来ません.
人の気持ちはそれほど繊細であると言うことです.

さて,このロジャーズの考え方をベースにした養成講座ですが,
管理職になった小生には非常に有益だったと感じています.
何故か,それは今までの会社における実務は常に客観的事実を追い続ける事であり
感情論ではな,事象(事柄)を的確に捉える現象論を重視します.
そこには人の気持ちを重視する視点が有ったとは言い難く,
これが職場の人間関係を悪くしていた一因のように感じられたわけです.

動物で自殺をするのは人間だけだそうです,
この事実は人が如何にメンタルな影響を受けるかの裏返しでもあり,
それを理解しないと管理職なんてやる資格はないように感じるようになりました.
 (とりあえずは,人の気持ちに関する勉強はしておくべきだろうと...)
とは言え,それでも人の気持ちを理解しきることは不可能に近く,
学習の観点からも,実務の観点からも,その限界を理解はしていますが...

人生も後半戦にさしかかっていますので,
自己啓発の視点を変えた,その一つがこの産業カウンセラー育成講座の受講に
繋がったと言えるでしょう.

会社を定年退職したら(60歳で退職,定年延長はしない予定),
この知識を生かした仕事に就ければいいと思っています.