『中年の危機』 は最近の心理学的研究で公式に使用されている定義で,
学術的な意味があることを最近知りました.
→ ちょっと不勉強でした(反省).
成人期の発達に関する心理学的研究は少なかったようで,
(一昔前まで,研究する必要性が低いと考えられていた?)
これまでに青年期(22~23歳以降,大学卒業後のイメージ)は
精神面で比較的安定していると考えられていたようです.
ところが,Levinson,D.J らによる最近の研究では,
成人期でも青年期(11~23歳,思春期のイメージ)と同様に
人生の大きな転換期である場合であるそうです.
青年期:社会で安定な立場を持たない,境界人とも呼ぶ.
それも,驚くことですが,青年後期である中年期(40歳以降)は
正常な中年の80% が中年の危機を体験するそうです.
この数字は,ほとんどの中年が危機を体験すると言うことで,
自身を振り返るに,これまでの自分は如何に普通の発想であったか,
この話を聞いて安心した次第です.
→ 誰もが生きていく上の危機を感じていたなんて...
では,その危機の内容ですがどのようなモノでしょうか?
・漠然とした人生への幻滅感
・停滞感
・圧迫感
・焦燥感
これらにを主な徴候として感じるモノのようです.
そのような危機を誘発する3つの側面として
・体力の危機:生活習慣病の出現,老化現象
・対人関係の危機:人間関係が狭くて偏っていると辛い境遇に
→ メンタルヘルスの必要性はこの観点からも重要!
・思考の危機:考えに柔軟性が無くなり,新しい考えに切り替えられない
実は昨今の状況を加味するに
中年はこれまで以上に危機にさらされる可能性が上がってきているように感じます.
職場でのプレッシャー,それにもかかわらず自分の能力の限界を思い知らされ,
仕事の精神的ストレスは若いときよりも大きいかもしれません.
特に責任が重くなると発生するのが 『昇進うつ病』 です.
加えて家庭の問題,子供が家を離れる,親の面倒を誰が見るのか,
育児を終えた妻との人間観の違いによる葛藤,老後の心配
つまり夫婦関係を中心とし,親と子供との関係にもバランス感が必要になります.
中年期に自殺率が最も高くなるのは,
このような背景があるからではないかと指摘されています.
自身もそうですが,中年は悩むのが普通だそうです.
中年期の危機感を自身だけの特有な状態と考えないことこそ,
中年の危機を乗り切る一つの術なのかもしれない?
なんて,最近気づきました.ちょっと気が楽になったというか...
と言う事で,今年も明日(1/7)が仕事始め,
いろいろな危機を乗り越えていきたいと考えています.